食オタ|食の資格者コミュニティ

赤い野菜をもっと鮮やかに!華やか料理への活用法を検証

まもなく1年の締めくくり、
とともに新たな年の幕開け!!

クリスマスやお正月といったパーティーやイベント満載の時期ですよね!

そしてパーティーやイベントに欠かせないのが、華やかなお料理!!

クリスマス料理やおせちと言えば、
パッと目を引く「赤の食材」
よく使用すると思いませんか?

今回は鮮やかな「赤」の食材を
どうしたらもっと華やかになるか?!
を実験しちゃいますー!

パーティー料理だけでなく、なんとなく茶色くなりがちなお弁当や「何か足りないなぁ~」と感じる普段の一品に赤の食材をプラスすれば一気に見違えること間違いなしっ!!

赤の食材と赤の色素

赤色の食材一覧

以前の食オタで赤色の食材を集めて、
田口さんが書いた「赤のホームパーティー」はコチラ↓

赤の食材は、野菜・果物・お肉・お魚(タイなど)色々とありますが…

赤の食材で今すぐ思いつくのが、トマト・パプリカ・イチゴ??

いやいや、まだまだあるはず…

ふりしぼってみます…

赤色食材一覧

野菜

トマト赤パプリカ赤ピーマン
ラディッシュ紅芯大根紅化粧大根
赤カブ紫イモビーツ
ルバーブ金時人参紫にんじん
チコリ―トレビス紫キャベツ
紫カリフラワ唐辛子赤オクラ
赤水菜みょうが赤紫蘇
ノーザンルビーシャドークイーン赤軸ほうれん草
レッドキャベツアーリーレッドスイスチャード

※ノーザンルビーとシャドークイーンはじゃがいも品種
※アーリーレッドは赤たまねぎ

果物

イチゴりんごスイカ
ネクタリンザクロ
さくらんぼいちじくラズベリー
すぐりすもも石垣パパイヤ
ドラゴンフルーツブラッドオレンジぶどう

※イチゴは正確には野菜ですが、ここでは果物の仲間にします

アカハタヒメコダイアカタチ
真鯛アコウダイカナガシラ
キンメダイキントキダイアカマチ
アカヒメジノドクロ(アカムツ)エビ・カニ

牛肉豚肉猪肉
鴨肉馬肉熊肉

かなりありますねー!!!

お魚・お肉あたりはもっと調べたらまだありそうな感じ!

私は野菜オタク!なので
今回は得意の野菜・果物中心に
赤の食材をみていきますよー!

赤系植物の色素成分は?

赤の食材で一般的によく使われるのは、パプリカやトマトですよね!

紅芯大根などの赤根菜やアーリーレッドも、私は好き♪

田口さんの記事でも触れていましたが、実はパプリカ、トマト、赤系大根、赤玉ねぎに含まれている成分はそれぞれ違います。

簡単におさらいすると…

トマトリコピン・アスタキサンチン(カルテノイド)
パプリカカプサンチン(カルテノイド)
紅芯大根・赤玉ねぎ・イチゴなどアントシアニン
ビーツベタシアニン(ベタライン色素)


赤系野菜(果物)の中で広く含まれている成分は「アントシアニン」


みなさんもアントシアニン、聞いたことあるのではないでしょうか??黒豆にも含まれているんですよね~。

アントシアニンの詳しい実験は、
魚谷さんのコチラ↓の記事で

今回は…

もっと鮮やかに赤色を生かすには?!

さっそく!食オタとして、赤系色素を深く実験!

【実験】赤を生かす調味料は?

どうやったらもっと、赤色をお料理に生かすことができるのか?!

せっかく手に入れた赤の食材を、もっと上手に活かしたーい!

料理に欠かせないのは、
…調味料!

「じゃあ、どんな調味料を使えば赤がはえるの??」

実験&調査しちゃいましょー!!

 

◆実験準備

今回は、5つの赤野菜をそろえてみました!

準備した赤野菜
・トマト
・パプリカ
・京むらさき大根
・紅化粧大根
・ビーツ

本当は中が真っ赤な紅芯大根が欲しかったんだけどな~。

京むらさき大根(紫大根)と、紅化粧大根(皮は赤く中が白い大根)で!

これが紫大根↓

キレイ!中心が花火みたい♪

よく調理で使う調味料にひたして色の変化を観察していきます!!

使用する調味料
・酢
・砂糖
・塩
・油
・みりん

さて~、
酢・砂糖・塩・油・みりんに浸して、
時間を追ってどんな色の変化があるか?

お酢の変化はなんとなく想像つきますが、
他の調味料はどうなるんだろう…?!

◆野菜カット

野菜をそれぞれカットします!

ビーツの赤色素だけは、切るとすぐに色が流れ出ます!!


ナイフも血染めのような…
赤の液体が…

キャー!!!

他の野菜は切っても、こんなに真っ赤になることはありません。

色素が違うからなんですかねー。

トマト・パプリカ・紅化粧大根・京むらさき大根・ビーツの5つの野菜をカットします。

結果がよく見えるように、透明なカップに入れてみました!

並べると、これだけでもキレイー!

それぞれのカップに、5つの調味料を定量入れます。

酢・砂糖・塩・油・みりん

時間経過とともに、赤色の変化を見ていきましょう!!

◆直後

調味料を入れてすぐ。
目立った変化はこちら!

酢を入れた紫大根(左)と紅化粧大根(右)は、すぐさま色が変色し始めました!

上段が「塩水」
下段が「酢」

15分経過!

トマト

特に変化なし。

・紅化粧大根

酢だけ皮が赤くなっている!

・京むらさき大根(紫大根)

酢は紫色の部位に注目!
全て鮮やかなピンク色に!

・ビーツ

油以外は全て赤い液体で浸っている!
水に溶けやすい性質であることがわかります。

・パプリカ

特に変化なし。

 

◆1時間経過

・トマト

変化なし。

・紅化粧大根

酢は、赤系色素がより流出して液体も赤くなってきた。

・京むらさき大根(紫大根)

酢は、赤系色素がより流出して液体も赤色に。
紅化粧より発色。

・ビーツ

油以外は、かなり赤くなってきた。

よく見ると塩水や砂糖水に比べて、酢の方が濃く色素が発色していることがわかります!

・パプリカ

変化なし。

◆6時間経過

・トマト

色素の変化は変わらずなし。

・紅化粧大根

皮の色素が酢に流出し、皮自体の色が薄くなっている!

他の液体は色味の変化はなし。

・京むらさき大根(紫大根)


酢の液体が全体的にかなり赤くなっている!
他の調味料は色味に変化なし。

・ビーツ

酢はより濃い赤色に!!
次に濃く出たのがみりん。

砂糖水と塩水は同じくらいの濃さ。

油は反応なし!

・パプリカ

特に変わらず変化なし。

実験終了!!

実験まとめ
●アントシアン系の野菜(赤大根系)はすべて酢に反応して、より赤く色づいた。紫色のものも赤色になる。
●トマト・パプリカのカロチノイド系はどの調味料にも反応せずそのままの赤色だった。
●ビーツ(ベタシアニン)は水に溶けやすく、特に酢に反応する。
●ビーツ(ベタシアニン)は油には溶けない。

実験結果をふまえて、さっそく赤色を生かしてみましょう!

赤の食材を使ってお料理してみたいと思いますー♪

赤の食材をお料理に活用!

 ビーツの冷製スープ  

使用する赤食材:ビーツ
赤色素:ベタシアニン
活用法:ベタシアニンの色素は「水に溶けやすく発色しやすい」という性質を生かしてスープにしてみます!

ビーツと言えばボルシチですが、今回はミルクでのばした冷製スープにしてみました♪

牛乳を入れるので、ボルシチのように真っ赤にならずピンク色に!

おお~!きれい!!!!

色はミルクの量次第で調整可能ですよ。

色も綺麗ですよね!!
ピンクのスープは珍しいので、おもてなしやパーティーにもってこい。

 紅化粧大根の紅白なます 

使用する赤食材:紅化粧大根
赤色素:アントシアニン
活用法:アントシアニンは酢(酸性)に反応するんでしたね!中は白いけど皮は赤!せっかくの赤い皮の色素を生かし、酢につけて発色させます!!


今回はゆずの酸も利用しましたよ。
とてもキレイに仕上がりました!!

紅白なますと言えば、ニンジンと大根を使用。

でも、アントシアニンの野菜なら、
皮と中身を別々に分ければ1個あれば作れちゃいますね!

紅化粧大根、赤カブなど、皮目が赤・中身が白の野菜で挑戦できますよ♪

 

 赤の華やか★ちらし寿司 

使用する赤食材(色素):
・京むらさき大根(アントシアニン)
・紅化粧大根(アントシアニン)
・ラディッシュ(アントシアニン)
・トマト(リコピン)
・パプリカ(カプサンチン)
・エビ(アスタキサンチン)

活用法:アントシアニンは酢(酸性)に反応するので、酢漬けにした京むらさき大根を細かく刻み、すし飯に混ぜて発色させて色味を生かします!
パプリカやトマトは酢飯との反応はないんでしたね。そのまま色を保てるため飾りにオススメ!



小さな透明カップにたくさん作って並べるのも可愛いですね♪

 

 無花果とストロベリーのデセール 

使用する赤食材:イチゴ・いちじく・ラズベリー・エディブルフラワー・ブルーベリー
赤色素:アントシアニン
活用法:ブルーベリーのソースといちじくに少量のレモン汁を入れて、発色を促します!
アントシアニンは「低温保存の方が退色を防げる」と言われているので、イチゴなどのフルーツは飾り付ける直前まで冷蔵庫で保存し、赤色をよく保つようデザートに生かします!


ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーなどのベリー系を中心にまとめると統一感が出て、特別感が増します!!

赤色の食材で作ったお料理を並べてみました♪♪

女子力が増しそうでテンションも見た目の美味しさもUP!

まとめ

赤の食材は意外とたくさん~!

中でも野菜の色素は食材の中でも数多くあります!
栄養素もたっぷり!!

トマトの色素・リコピンは「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど強い抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防効果を促すとして注目されています!

日本でもじわじわ人気が出てきている、ビーツ!

スーパーでは水煮、最近は生のものも見かけるように。

「食べる輸血」「奇跡の野菜」とも言われ摂取すると体内で「NO(一酸化窒素)」が生産。血行を改善し、血栓の発生を防ぐと言われています。

ビーツ調理の豆知識】

ビーツをカットする際、手やまな板に色素が付きます。

手についた色素は水で洗い流し、しばらくすれば消えるので心配しなくても大丈夫!
まな板は、レモン汁やお酢で流すと残らず取り除けます。

ただし、衣服につくと落ちにくいのでご注意を!!

調理では、皮剥いてから茹でると白っぽくなるため、皮ごとオーブンで焼くか、茹でます。

温かいうちに剥けばツルンと皮を取り除け色も綺麗に残りますよ!

【番外編】天然由来の赤の色素

私たちがよく口にする、かまぼこ・ハム・ソーセージ・お菓子・清涼飲料水…。

これらに含まれている着色料は、「コチニール色素」。
別名、カルミン酸色素・カルミン。

食品だけでなく、化粧品や薬品、絵具など幅広く世界中で使用されています!

実はこのコチニール色素の正体は、中南米に生息するカイガラムシを乾燥させて粉末にしたもの!
別名エンジムシと言って、小さな昆虫のメスを熱湯で煮沸した後、乾燥させ粉砕し色素として利用するんですってー。

え?!虫?!

大丈夫です!
カイガラムシが入ってるわけではなく、抽出液が色素となっているんですって。

体質によってはエンジムシのタンパク質によりアレルギー反応が出る場合あるそうですよ。

古代から使用されている色素で、合成着色料とは違い天然由来なため安全な着色料ともいわれています。


赤の食材の活用法、いかがでしたか~?

みなさんも赤の食材を積極的に食べてください♪

お料理の彩りだけでなく、身体にも良い栄養をとりいれてみてくださいね!!




次回の食オタノートもお楽しみにー♪