食オタ|食の資格者コミュニティ

エビはなぜ曲がる?まっすぐ揚げる方法を検証しよう!

「ねぇ、ママ。お店のエビフライはどうしてまっすぐなの?」

そんな子どもの素朴で自然な質問に傷ついたことがある方!!
(……私か!)

まっすぐ伸びたエビフライを
作ってみたくないですか!?

ということで、失敗せずに
まっすぐなエビフライを作る方法
探求してみましょう!!

夏休みには、家族でクッキング!

大人も子どもも、ぜひ一緒に
自由研究してみましょう♪♪

エビが曲がる原因を調査!

じゃん!
今回、エビフライ用に用意したエビ!

スーパーなどでよく売られている
ごくごく普通の白エビ(冷凍)。

このエビを使って、
まっすぐなエビフライを揚げるために
いろいろ検証していきますよ!

そもそも、どうしてエビって
火を入れるとぎゅっと固く
曲がってしまうんでしょう?

エビが曲がる理由

何もしなくても腰が曲がってるエビ。

エビの腹側には強い筋肉があります。

火を入れるとこの筋肉が固まって、
ぎゅっと丸まってしまうんです。

そういえば、お肉も筋切りしますよね。

そうじゃないと
固くなったり、そりかえったり。

エビをまっすぐ揚げるコツも
この原理でいいわけですね!!

エビが曲がらないようにするには?

腹側にある筋肉を絶ち切る!!

ということで検証開始~♪

エビフライの下準備をしよう

さて、エビフライを作りますが、
そのために下準備を。

① 殻むき

まずはエビの殻をむき~。

「小さな殻や足が残って、身がボロボロになって困る~」

そんな方はぜひ、この方法をお試しあれ♪

やってみます~!

くっとエビを曲げると…
殻の節の隙間が見えてきます。

わかりますか?

この隙間に指を入れて、
頭の方にむかってバリっとめくるっ!

尻尾を押さえて残った殻を
もう一回バリっとめくるっ!

簡単に、きれいにむけました~。

② 尾の先を切る

尾の先っぽを包丁で落とします。

「なぜ尾の先を切るの?」

先端をよ~く観察しみてください。

ギザギザがついて、とがってるんです!
調理中や食べる時に危ないですよね。

あと汚れや水が溜まっていたり。

なので切っちゃいます!

③ 背ワタを取る

エビの下処理で真っ先に思い浮かぶのは「背ワタ」じゃないですか!?

背中を開いてから取り出しましょう~!

丸まったところに少し包丁を入れて。


中を覗いてみると…

あった!背ワタ!!!

これを楊枝や竹串を使って
そっと引っ張り出して~。

するする~っと抜けると
気持ちいいですよね(笑)

この背ワタ、エビによっては
ない場合もあります。

④ エビの汚れを取る

ここまでできたら下処理の総仕上げ。
汚れをきれいに落とします!

ボウルにエビを入れて片栗粉を適量。

優しく手でもみ洗い~。

もみもみ。

灰色の濁った水が溜まってきたら、
ザルにあけて水洗い。

洗ったあとは、
よく水分をふきとっていきます!

よし、下準備完了!!

エビフライをまっすぐ揚げる方法

卵、小麦粉、パン粉の
衣の具材を用意したら…

エビフライを揚げていくぞ!

まっすぐに出来るかな?!

検証実験1:まずはそのまま

まっすぐエビフライを揚げる方法を
見つけるその前に!

とりあえずそのまま揚げてみることに。

ということで下処理だけしたエビさん。

塩こしょうだけしました。

当然曲がってますね。

なんとなく伸ばしてみました(笑)

火を通す前は柔らかいので
こんなふうに形を自由に変えられます。

でも。揚げてみたところ、

ぐるんぐるん!!
見事に曲がって固定している!!

揚げる前に軽く伸ばしたところで
やっぱりこうなりますよね。

全然問題ありません!
ここまでは、いわばプロローグ!!

次からが本番です…!

検証実験2:切込みを3か所入れる

まっすぐ揚げるには、
腹側の筋を切るのが大事。

でも切るっていっても
どれくらい?
どんなふうに?

それを検証していきます!

今回用意したエビは、身の部分が
6~7㎝の大きさ。

その身の腹側に3か所に、
切込みを入れてみました。

間隔は1.5㎝ほど。

深さはエビの1/3ほど。

エビさん、こんな感じになりました。

これに衣をつけて
揚げてみたところ…

うーん。
曲がってしまいました。

切込みの数や深さが足りなかった?
切り方が悪かった?

とにかく次の検証に移ります。

検証実験3:切込みを3か所、斜めに!

次は包丁の入れ方を少し変えて、
3か所斜めに切ってみました。

間隔は先ほどと同じで1.5㎝くらい。

斜めなので少しわかりづらいですが、
深さも同じ1/3くらい。

切り方を斜めにしたとは言え、
さっきと見た目はほぼ一緒。

揚げてみたところ…

全然ダメですねっ泣
むしろさらに丸まったような。

・まっすぐ切り込む
・斜めに切り込む

という比較は、
あまり意味がなかったか…。

検証実験4:切り込みを3か所、深く入れてみる

切り込みの「向き」じゃないなら
次は「深さ」を検証!!

思い切って2/3ほど切ってみました。

切れないか心配~。

これにそっと衣をつけて
揚げてみたところ…

あら♪
だいぶ進化したのでは!?

でもまだ曲がってますよね。
まっすぐとは言い難い。

でも、
深く切り込むのは外せないポイント
だと確信しました。

検証実験5:節に沿って切り込み

切り込みを深くしたことで
「まっすぐなエビフライ」に
一歩近づけた!

なので、次は
切り込む「数」を増やしてみます。

ということで注目したのが
エビの節。

ただやみくもに数を増やしても
検証しにくい…。

そこで、節に沿って切ってみることに。

節と節の間の5か所に
切り込みを入れました。

もちろん深さは2/3ほど。

持ち上げるとこんな感じ。

きゃー!切れそう…汗汗

で、慎重に慎重に衣をつけて
揚げてみました。

その結果…

おおーー!
最初に比べたらかなりまっすぐ!

でも、でも…
これもまたあと一歩及ばず。

まだお店で食べるような
まっすぐ伸びたエビフライには
なっていない…。

ここで食オタの先輩からアドバイスが。

「前にてんぷら屋さんで見たときエビがちぎれそうなほど伸ばしてた」

伸ばす!?

切り込みを入れるだけじゃなく、
伸ばしてみるのは
試す価値がありそうです…!

検証実験6:節に沿って切り込んで、伸ばす

筋に沿って切り込むところまでは一緒。
そのあとに、伸ばしてみます。

でも、すでにちぎれそうなのに
どうやって伸ばすの!?

とりあえず、ちぎれないように
ひっぱってみたところ…

ん?
今、ブチって聞こえた?

切込みを入れた部分を中心に、
左右に引っ張るようにのばすと、
ブチ、ブチと何かちぎれるような音。

この部分からブチっと聞こえる。

筋というより、「皮」でしょうか…?

とにかくこの音がなりそうなところを
狙って引っ張って伸ばしました。

これまでよりも明らかに長い!

長さを図ってみたら10㎝に!!
(もともとは6~7㎝のエビです!)

だいぶ伸びました~。
伸び切ってますね~(笑)

これで揚げてみましょう!

じゃん!!

おおーーー!!

一部曲がってますが、
ほぼまっすぐに!!

やっとここまでたどり着きました!

思っていた以上に
切ったり伸ばしたりしなくては
いけませんでしたね!

検証実験7:本当にまっすぐ揚がるか再検証

先ほどのやり方で、本当にまっすぐな
エビフライになるかを再検証!

「節に沿って切り込んで、伸ばす」
この方法です!

1本が曲がってしまっているので、
先ほどよりもさらに力を入れて
伸ばしてみました。

すると…

あ、あ、あ…、ガーン。
ちぎれました泣

やっぱり力加減が難しい。

ブチっというまで伸ばしたいけど
ちぎれないように注意して…。

もはやどっちが背なのか腹なのか
わからないくらいぐにゃぐにゃに。

これを揚げてみた結果。

4本ともまっすぐに!!!

やった♪

大成功です!!

「節に沿って切り込んで、伸ばす」

やっぱりこの方法なのか!!

検証実験8:叩いてみたら?

まっすぐなエビフライを作る
ポイントはわかったけど。

たくさん切り込み入れたり、
指でのばしたりするのは、かなり大変。

数本ならまだしも
10本、20本…と
この作業を繰り返すのはツライ!

そこでひらめいたのが「叩いてみる!」という方法!

バンバンバン!
麺棒で叩き伸ばしてみましたーー!

でも、ラクできるかなと思いきや
意外としんどい(笑)

叩きすぎると潰れるし。
えびが滑って叩きにくいし。

どうでしょう…?
ぱっと見はいい感じに見えますが。

いざ揚げてみると…

なんじゃこりゃ~!
くねくね。

曲がりくねって大変な仕上がりに…泣

叩いても、まっすぐ伸びた
エビフライにはならないことが
わかりました。

残念…。

まとめ

検証実験の結果をまとめてみます。

まっすぐエビフライ3ヶ条

1、切込みは節に入れる

2、包丁を入れる深さはエビの2/3ほど

3、切り込みを入れた部分がちぎれないよう、手で優しく引っ張って伸ばしていく

これが、失敗せずにまっすぐなエビフライを作るポイント!

見て見て~♪
お店で食べるようなエビフライ~♪

こんなふうにエビフライを
立てて盛り付けてみたかった!!

夕飯に出したところ、
「ママ、すごいじゃん」
と娘からも褒められました。
(なぜか上から目線の6歳児…)

こんなに差が出るエビフライ

ここで検証の振り返り。

何にも処理をしていないエビと、
切り込みを入れて伸ばしたエビ。

並べて比べてみると…

おもしろいくらい違う!!

ちなみに、曲がったエビフライは
お弁当に入れるのに便利♪

あえて曲がるように揚げて
スイートチリソースと和えてみたり♪

料理に合わせてエビフライの形を
変えるのもアリですよね~。


ほんの一工夫、一手間かもしれないけど、
まっすぐにエビフライを揚げる方法を
検証してみました。

「なんでエビは曲がるの?」

そんな疑問から
親子で実験感覚で試してみるのもいいですね。

夏休みの自由研究にもおすすめです♪

それでは次回もお楽しみに!