食オタ|食の資格者コミュニティ

「豆」を食べて、まめに暮らそう!【食のことわざ慣用句〜意味・由来まとめ】

今週の野菜オタクは
豆のことわざ・慣用句 について!

豆といえば、
お正月に、節分の豆まき…
そして、お赤飯と出番が多いですよね〜

新物は12月頃から出回って、
新春を迎え、立春と豆を食べる機会が多くなります。

おめでたい時や、季節の変わり目って
なぜ、豆料理を食べるのでしょう?

豆について、いろいろと調査してみました!

豆のことわざ・慣用句

豆にまつわる
ことわざやいわれ、慣用句をご紹介♪

「まめにくらす」
「まめまめしくいきる」
「炒豆(いりまめ)に花」
「黒豆のように黒く日焼けするほど、勤勉に働け」
などなど…

豆は、おめでたい事に使われることが多いようです

◆「まめにくらす」「まめまめしくいきる」

実は、この「まめ」という言葉は
“怠けずに、せっせと働く&生きる”
という事ではないんです

「まめ」=「忠実」という意味で、
“誠実でまじめであるさま”
“体が丈夫なさま” という事だそう

なのでこれらの意味は…

「まめにくらす」
 意味:達者に暮らす

「まめまめしくいきる」
 意味:誠実に生きる

なんです♪

ちなみに、忠実とは
・真心をもって、仕えること
・少しの誠意やいつわりもなく正確であること

私は今まで
「豆」が言葉の頭に付くのは、
小さい、ちょっとした、という意味だと思っていました〜

「豆」は、「忠実」とか「誠実」という意味が
基本なんですね!

◆「炒豆(いりまめ)に花」

これは あり得ないことを例えて言う時 の言葉

炒り豆に花
炒った豆から芽が出て花が咲く…
なんて事は絶対に起こらないですよね!

なるほど!という感じ〜

ちなみに、
節分の豆まきの豆には
なぜ炒り豆 を使うのか?

大豆は、五穀のひとつで精霊が宿ると言われています。

また豆は「魔(ま)を滅(め)する」ということから、
魔物や悪霊を払うのに適している!

しかも、なんと!

「魔(ま)を射(い)る」で
炒り豆を使うんです!!!

そして、
豆まきをし終わった後に
芽が出てしまうと縁起が悪いから
炒豆なんですね!

◆「黒豆のように黒く日焼けするほど、勤勉に働け」

この言葉は、銀座の割烹料亭の板長さんから、
おせち のことわざとして教えていただきました

黒豆は縁起は良いとは思っていましたが、
なんで新年に食べるのか??

「黒豆のように、まっ黒になるまで働けるような、
丈夫な身体でいれますように」
という 新年への想い からなんですね。

まさに、おめでたい!

 
さてさて…
豆とひと言でいっても、実はたくさん種類があります!

<豆の分類>どんな種類があるの?

豆は、栄養成分からみて、3つのグループに分けられます

◆たんぱく質グループ
◆脂質グループ
◆炭水化物グループ

それぞれを見ていきましょう!

◆たんぱく質グループ

炭水化物が50%以上の豆

豆と言ったら、
たんぱく質グループの豆を思い浮かべる人が
多いのではないでしょうか?

【豆の種類】
大豆 など

大豆は、味噌や醤油にも使われている最もベーシックな豆ですね!

以前の野菜オタクノート、魚谷さんがご紹介した
簡単味噌作りをごぜひ見てみてくださいね!

≫「親子でカンタン自家製みそを作ってみよう!」

◆脂質グループ

脂質が40%以上の豆

このグループは、
ちょっと油分が多い感じがしますね!

【豆の種類】
落花生 など

◆炭水化物グループ

炭水化物が50%以上の豆

なんとなくカロリーの多そうなイメージだったり
主食や副菜、デザートなど幅広く使われる豆がこのグループ

【豆の種類】
・小豆 ・ささげ ・いんげん豆 ・そら豆 ・えんどう豆 など

いんげん豆の代表
在来種の「前川金時」
これは青えんどう豆

あ、そういえば…
小豆とささげって似てるけど、
どうちがうんだろう?

モヤモヤする分類ってありますよね〜
いつかヤサオタノートで解説できたら…

いちばん良く食べられている 大豆 を
手軽に食べられるよう、調査してみました!

乾燥大豆を食べてみよう

まずは、節分の豆まきにもよく使われる「炒豆」

豆の炒り方

大豆類や落花生は、
乾燥豆を炒ってそのまま食べられます。

料理に使ってもよし、そのまま食べても美味!

フライパンで中火でゆすりながら、炒ります!

皮が割れて、
中が少し見えてきたらできあがり!

乾燥大豆の茹で方

圧力鍋・鍋でゆでる・魔法瓶 と、3つの方法を試してみました!

■圧力鍋

思い立ったらその日にすぐ作れるのが
圧力鍋の良いところ。

乾燥大豆を戻さず、
そのまま調理できるのは圧力鍋ならでは!

大豆の4〜5倍の水を加えて、
圧がかかってから、
約15〜20分ででき上がり!

ふっくら、つややか〜♪

手でつぶしてみると…

柔らかく、つぶれます!

味噌作りや、煮豆にちょうど良いですね!

■お鍋でゆでる

お鍋でゆでる場合は、
「豆を水でひと晩もどした方がよい」
と、昔からいわれていますね…

やってみましょう〜!!

一晩漬けたら、
豆にしわがなく、ふっくらとしてきました。


※ひと晩漬けてもまだしわがある場合は、
いったん水を捨てて、
熱湯でもどしてみると、ふっくら!

もどったら、茹でます!!

豆より、3㎝ほど上まで水を入れて、
最初強火でかけてみましたー

沸騰したらコトコトと柔らかくなるまでゆでてみます

ゆでている間は、
常に水に隠れている状態をキープ!

水が少なくなってきたら、
差し水として「ぬるま湯」を
入れるとよいようです!!
(祖母が言っていました!)

さらに、落としぶたをしておくと、
シワがよらないということです。

落しぶたがない場合は、
半紙やキッチンペーパーでもOK!

ゆでた豆は、冷蔵庫に入れて、
1〜2日中に食べきってくださいね!

特に味付けしていない豆は、
足が速いので気を付けたほうがよいようです…

■簡単!魔法瓶で

圧力鍋がない〜時間がない〜

そんなあなたに!この方法オススメ!!

MY水筒としてよく使われる
「魔法びん」で煮豆ができちゃうんです!

こういうMy水筒
おうちにひとつはありますよね↓

もしくは、こんなスープ用のでもOK↓

《魔法瓶で豆を煮る?!方法》
まずは、お湯をわかします!
  ↓
大豆(豆)を熱湯で洗って、
魔法びんに入れます!  

  
熱湯を注いで、ふたをします!
※湯量が多いほど、湯温を高く保てますよー熱湯多めに♪
  ↓
3時間おいて、できあがり!とっても簡単ですよね!

3時間後の様子

これなら、サラダのトッピング用や、スープの具にも便利♪

できあがりの目安量
・乾燥豆30g⇒60〜70g
・乾燥豆60g⇒120g〜140g

魔法びんでゆでられる大豆の量と目安
・容量480mlの場合
 →最大60gまで、約3時間おけばOK
・容量380mlの場合
 →40gまで約3時間おけばOK

各地の豆&地域の食べ方や小話

◆在来種って何?

私たちが普段食べている国産豆の大半は
「育成品種」とよばれているもの。

これは、寒さに強い・収量があるなどの特性を持たせるために、
人の手によって 品種改良された豆なのです。

これに対して、「在来種」とは??

「固定品種の豆」と言って、農家が自家採集して数十年にもわたってつくってきた豆のことを言います。

長い年月を経て、
その土地や気候風土に適応しようと
豆自体が変容し、その土地の豆になっていきます

それが「地豆(じまめ)」とも呼ばれてる
在来種の豆ですね。

ふくよかで、滋味深い味で
その土地土地の風土に合った色、かたち…

どれをとっても生命力にあふれています!

◆各地の豆紹介

それではいろんな豆をご紹介しましょう!

在来種「前川金時」 (北海道)

いんげん豆属の金時豆。

昭和30年代、北海道全体で3000ヘクタールを超える
作付け面積があったといわれる品種。

その後、新品種になってしまい、幻の豆となったようです。

【特徴】
・風味豊かでコクがある。
・煮崩れしずらいうえ、ほくほくした食感

在来種「白金時」

白あんの材料いんげん豆。

昔は手亡豆(てぼうまめ)と同じく白あんの材料として作られていたようですが
現在ではほとんど流通していないようです。

【特徴】
・種実は皮が薄く、とろけるように柔らかく煮える。
・さやも種実もおいしい。
・虎豆に似たしっとりした食感とあっさりした淡泊な味。

在来種「紅しぼり」

めでたい紅白の豆、いんげん豆。

赤と白の模様がおめでたいことから
お祝いの席で食べられることが多い「紅しぼり」。

別名「おいらん豆」ともよばれていたそう。

【特徴】
・あっさりした味なので、お米と炊いても、
シチューや煮込み料理にもよく合う。

在来種「紅しぼり」

長寿の豆といわれる、いんげん豆。

虎豆のように黒い斑紋があるので、
「パンダ豆」「黒虎」と呼ばれています。

日本各地で自家用で栽培されていることが多く、
地方の道の駅や直売所でよく販売されているようです。

【特徴】
・煮ると柔らかいのに、煮崩れしにくい。
・むっちりした食感。

★長寿の女性が常食しているとメディアで報道されてから
知名度が上がったようですねー!

在来種「貝豆」


なめらかな舌触りのいんげん豆。

豆の模様が貝殻の斑紋に似ていることから
「貝豆」と名付けられたそうです。

北海道各地で栽培されている豆で、若いさやのとき、
ゆでてお煮しめにしたり、酢味噌和えなどにして
食べられているようです。

【特徴】
・あんにするとあっさりしている
・クリーミーな舌触り

在来種「紫花豆」

花も豆も美しい、べにばないんげん豆。

きれいな赤い花が咲くので「赤花」とも言われています。
豆も紫と黒が混ざったような模様が美しいと人気です。

明治時代から栽培が始まって以来、
いまだに品種改良せずに流通しているそうです。

【特徴】
・北海道産は小ぶりだが、皮が柔らかくほっくりしている
・群馬県や長野県の高原豆といわれる紫花豆は、
北海道から渡ったものといわれ、ひとまわり大きい

在来種「青大豆」

自家製味噌によく使われる、大豆
乾燥時、緑色をした大豆で、茹でると緑色になる「青大豆」

色が美しく、コクがあるため、
うぐいす色の豆乳やおからにしたり、
豆腐に加工するそうです。

甘みが強いので、豆菓子やきな粉に用いられているようです。

【特徴】
・東北や中部地方の郷土料理「ひたし豆」は、この青大豆
・北海道の在来種「石狩緑」は、風味がよく、きな粉や味噌の材料になっている

在来種 蔵掛豆(くらかけまめ)

馬の鞍ににている大豆

東北や関東甲信越でよく見かける「蔵掛豆」は、
馬の鞍に似ていることからこの名前になったそう。

茨城県常陸太田市の道の駅では「海苔豆」の名称で販売されているようです
この辺りでは、醤油味のひたし豆で食べられているようです

まだまだ、
地方にたくさんの在来種の豆があります

上記にあげたものはほんの一部です!!

豆は、道の駅や築地の市場、御徒町のアメ横などにある専門店
などで購入できますよ〜

ぜひいろんな豆を見つけてみてください!

在来種の事が分かってきたところで…

在来種の「前川金時」で…
北海道地方の遠軽町のおやつを作ってみよう!

その名も…「ばたばた焼き」

ばたばた焼き

材料(約2人分)
・甘く煮た前川金時…50g
・煮汁…100㏄
・米でんぷん粉(コーンスターチ)…100g
・お湯…(90℃以上)60㏄
・塩…適宣

作り方

1)でんぷん粉に、甘く煮ておいた前川金時の煮汁を入れて、さっとかき混ぜる。

2)さらに煮豆を加えて、塩をふたつまみほど加える。

3)お湯を加えてへらで手早くかき混ぜる。ぽったりとする程度のゆるさでOK。

4)フライパンに薄く油をひき、パンケーキを焼く要領で焼いていく。

5)まわりがうっすら透明になってきたら、ひっくり返して両面焼く。

昔はバタバタとひっくり返す音がしていたから、
ばたばた焼きといわれているようですよー

しょっぱいおやつとホクホクの豆がよく合います!

まとめ

本当に、豆は、見れば見るほどかわいい!

小さなひと粒には生命力が詰まっていて、
栄養もいっぱいだし、
私たちの豊かな食生活と健康をささえてくれます♪

だから、昔の人は、こんなことを言いました!

「豆にくらす」
意味:面倒がらずによく働き、よく生きる

「炒豆に花」
意味:一度衰えていたものが再び、勢いを盛り返すこと。
ありえないことが実現する事。

★ちなみに、節分の豆まきに用いられる福豆は、炒り豆。
厄払いに用いた豆から芽が出る演技悪いとされたため、炒ってあれば芽はでないので。

「まめまめしくらす」
「まめまめしくいきる」

意味:達者に暮らす、誠実に生きる

「黒豆のように黒く日焼けするほど、勤勉に働け」
お正月に黒豆を食べるのはこのいわれの事

なので、昔の人は
おめでたい席で豆を食べてきたのですね!

栄養学的にもよいし、縁起もよい!
豆ってすばらしいですね〜!!


今年の 節分 は、炒り豆をつくって豆まきしましょう!

鬼は外〜!
福は内〜!

そして、豆茶を飲んで
まめにくらすことにしましょ〜

では、次回の野菜オタクもお楽しみに!