食オタ|食の資格者コミュニティ

黒豆をふっくら上手に煮る方法&コツを大実験してみた!

今年もあと少し!
あっという間にお正月ですね~!

お正月と言えば「おせち」。
おせちと言えば「黒豆」。

黒豆と言えば、上手に煮るには?
が永遠のテーマ!

「どうやったらシワシワにならずに
ふっくら黒々と仕上がるの?」

…ということで、
今回の食オタクノートは

\「黒豆を上手に煮る方法」大実験!/

実は私、おせち料理は母親担当なもので、黒豆と真剣に向き合うのは初めて!

豆は圧力鍋で煮るのが一番カンタン!
と思っていますが…

はたしてどうなりますでしょうか?

【実験】調理器具による比較

黒豆の煮方を考えてみると、まずは「何で煮るか」?

黒豆を煮る調理器具いろいろ
・一般家庭でよく使われるアルミ鍋
・ストゥブなどに代表される鋳物ホーロー鍋
・圧力鍋
・炊飯器

上記の4つで、比較実験してみます!

炊飯器!!!
ふっくら黒豆が完成したら簡単で便利そうですね~。

期待に胸がワクワク!

では、実験開始です!

■煮る前の準備

今回用意したのは、北海道産黒豆。

最初に、豆を洗い、次に煮汁を用意します。

材料
・黒豆 100g 
・水 500ml 
・砂糖 75g 
・しょうゆ 大さじ1/2 
・塩 小さじ1/2 


材料を鍋に入れ、沸騰したら火をとめて、洗った黒豆を投入。

煮汁が熱いうちに豆を入れることが大切です!

あとは8時間放置。

豆に吸水させます!

私は寝る前に吸水させ、翌朝起きたら煮る計画です。

朝になりました!

どれどれ~。
お~、ふっくらしています!

吸水前と吸水後では、豆が2倍の大きさになるんですね!

吸水前の黒豆は包丁が入りませんが、
吸水後は切れました!

なんかホクホクしてすでに美味しそう!
もちろん、まだ食べませんよ~(笑)

■黒豆を煮てみましょう

・アルミ鍋
・鋳物ホーロー鍋
・圧力鍋
・炊飯器

この4つの調理器具で煮ていきます。

アルミ鍋と鋳物ホーロー鍋

まずは、アルミ鍋と鋳物ホーロー鍋で試してみます!

最初は強火で沸騰させ、
アクが出てくるので取り除いたら、

アク取りシートをのせ、蓋をして…、

あとは弱火でコトコト煮ていくだけです!

黒豆に水がかぶっていないと
シワシワになってしまうそうなので、
気になりますぅ~。

ついつい蓋を開けてのぞきみる私…。

ところが!
これはNG!!!

なるべく蓋はあけない方が良いらしい…。
鍋の温度が下がると
シワができるそうなんです!

なので、タップリめの煮汁で
煮始めることが重要ですね!

上手な黒豆の煮方

ポイント1:なるべく蓋はあけない!

※鍋の温度が下がるとシワになるよ

ポイント2:最初からたっぷりの煮汁で煮る!

※豆が煮汁から出ているとシワになるよ

私の場合は、1時間に1回、
100ccのお湯を足すだけ。

煮汁から黒豆が出てしまうことはありませんでした。

そして、この「さし水」にもキーポイントが!

必ず”熱湯”を入れましょう!
理由はもちろん、煮汁の温度を下げないためです。

もう一つのキーポイントは、とにかく”弱火”で煮ること!

黒豆がおどってしまうと、皮がむけてしまいます!

ポイント3:さし水は「熱湯」で!

※煮汁の温度が下がるとシワになるよ

ポイント4:とにかく「弱火」で煮る!

※豆が踊ると皮がむけちゃうよ

加熱1時間後

加熱1時間が経過しました。

アルミ鍋も鋳物ホーロー鍋も見た目も硬さも同じです。

切ってみましたが、まだ硬そうですね~。

加熱2時間後

1時間前とあまり変わらない感じ!

食べてみると少しホクホクしていて美味しい!

加熱4時間後

お~柔らかい!

指でつぶしてみると、あきらかに違ってきました!

切り口も煮汁がしみて美味しそう!!!

完成ですね!

食べてみると、さきほどのホクホク感はなくなり、
しっとり~~~。

こちらが時間経過ごとの豆を並べてみました。

アルミ鍋VSホーロー鍋比べ

アルミ鍋で煮た黒豆と鋳物ホーロー鍋で煮た黒豆では、
見た目と色に違いはありません。

…ところが。
食べてみるとまるで違います!

鋳物ホーロー鍋の方は、シルクのようにしっとり!!!

口どけがよく、なんて美味しいのでしょう!

やっぱり鋳物ホーロー鍋がベストかなぁ?

…ただ、黒豆は一晩放置で
味がしみるそうなので、
まだ結論を出すのは早すぎます!

■圧力鍋

今度は圧力鍋で煮てみましょう!

圧力鍋で煮る黒豆も、昨晩から煮汁につけてありました。

最初は強火。
弁がシューシューしてきたら、弱火にして20分だけ煮ます。

あっという間ですね!

20分加熱後は、火をとめて自然冷却。

1時間後、開けてみますよ~。
ワクワク!

一粒さわった瞬間に分かる柔らかさ!

切ってみると、柔らかすぎて皮がとれそうです。

さぁ、食べてみましょう!


う~ん、これは美味しい!
鋳物ホーロー鍋をさらに上回る滑らかさです!!!

ただ、すでに皮がとれてしまっている黒豆がチラホラ。


この点がマイナスかなぁ…。
ちょっと残念ですね~。

 

■炊飯器

さぁ、今度は期待の炊飯器で炊いてみましょう!

洗った黒豆と煮汁を炊飯器に入れ、5時間吸水させます。

煮汁は煮立たせません。

煮立たせたらどうなるのか?
8時間吸水させるとどうなるのか?
気になりましたが…。

今回は徹底して「手間を省く」で、やってみましょう!

5時間吸水後、おかゆモードにしてスイッチオンです!

炊飯完了の音楽が流れました~♪

保温を切り、ここから30分放置です。

30分経過しましたよ!

圧力鍋くらい、しっとり柔らかくなっていたら
最高なのですが…。

う~ん、残念!

柔らかさはアルミ鍋で
2時間煮た時と同じくらいでしょうか。

ホクホクしていて、これはこれで美味しいですが!
しっとり感はありませんね~。

ただ、まだわかりませんよ!

それぞれ1日置いて、味をしみこませましょう。

この時も、豆が煮汁に浸かっていることが重要です!

 

■出来上がりを試食!

黒豆を容器にうつしかえて味をしみこませます。

黒豆は味をしみこませてから完成です!

どれくらい美味しさUPしてるかな?
ドキドキ!

結果は…?!

両極端に分かれました!

鋳物ホーロー鍋と圧力鍋の黒豆はさらにしっとり~♪
味もしみています!

逆に、アルミ鍋と炊飯器の黒豆は…
昨日よりも硬くなってて、味もしみこんでいない感じ…。

特に炊飯器の黒豆は、豆が割れてしまっています!
残念!

やっぱりホーローが一番??

一般家庭に多いアルミ鍋と炊飯器で、
ふっくら黒豆は難しいのかなぁ?

ただ、ここで引き下がらないのがオタクな私(笑)

アルミ鍋や炊飯器で、鋳物ホーロー鍋に近づける方法を見つけましたよ!
あとで紹介するので最後までお読みくださいね~。

 

黒豆を上手に煮るコツを探る


みなさんは美味しい黒豆って、どんなイメージがありますか?

ふっくら?ツヤツヤ?

失敗例でよくあるのが…
「シワシワになっちゃった!」
「なんかツヤがない?」

食オタらしく、上手に煮るコツを探りたいと思いますー!

黒豆上手なコツ1 黒豆をシワシワにしない方法


まずは、シワシワにならない方法!

実は、煮ている途中で写真撮影する数分間でも、徐々にシワシワになりはじめて、焦っていた私。

どうずればいいのか…?

「煮汁の温度を下げない」って大切。
例えば以下の3点のような事です。

煮汁の温度を下げない!

(1)豆がしっかりと浸かる多めの煮汁で煮る
(2)煮汁が減ってきたら熱湯を追加する
(3)煮ている途中で蓋をなるべくあけない

そして、最も重要なのは、煮たあとの方!

豆がしっかりと冷めるまでは、
たっぷりの煮汁につけておく!

なんです!!!

実際にやってみました!

熱い状態で器によそってしまうと
こんな風にシワシワに…

でも、多めの煮汁に入れておいた黒豆は
どうでしょうか?

1時間後…。

器によそって1時間たっても
シワシワにならなかった!!

「そうは言っても徐々にシワが出てくるのでは~?」
と疑うオタクな私!

…安心してください!

さきほどの器をそのまま2日間放置してみると…?

シワシワになりませんでした!

2日後の黒豆は表面が乾燥しているのにシワは出ていませんね!

これはスゴイ!!!

煮汁につけておくことが大事って、実証されました

黒豆上手なコツ2 黒豆のシワシワを取る方法

今度は、出来てしまった黒豆のシワを取る方法です!

シワシワになってしまった黒豆、
ツルツルに戻す方法はあるの?

実は、ありました!!!

答えは簡単。

シワシワ黒豆は、「もう一度煮る」とシワが取れる!


もう一度煮る、それだけです!

やってみました!!

さっきのシワシワになった黒豆を
多めの煮汁でもう一度加熱。

すると…??

じゃーん!

お~!
シワが無くなりました!

今度こそ、しっかりと冷めるまで
煮汁につけておきましょう!

黒豆自体の品質によっては、シワが出たら戻らないものもあるみたいですが…。

復活法!
簡単だしやってみる価値あり!!

 

黒豆上手なコツ3 黒くてツヤツヤにする方法

黒豆と言ったら、やっぱり黒々としてて
ツヤツヤが良いですよね~!

黒々つやつやな黒豆にする方法を考えてみます!

黒豆を黒く仕上げたいなら
「さびた鉄くぎ」を使用する!

これが一般的ですよね~。

黒豆に含まれる
アントシアニン色素と鉄が反応して、
黒く色素沈着できるとのこと。

でも…

「さびた鉄くぎなんて無い!」

おっしゃる通り!!
現代家庭にはさび鉄なんて、
なかなかありません…。

そもそも、さび鉄でそんなに色が変わるのか?

疑問をもったら、もちろん実験!

「さび鉄」のかわりに
「鉄たまご」や「鉄まんじゅう」
を使うと便利です!

やってみましょう!

沸騰させた煮汁に鉄まんじゅうを投入!

入れた鍋と入れない鍋を用意。

この状態で一晩放置します。

翌朝、お鍋の蓋をあけた瞬間!
驚きです!

鉄まんじゅうを入れておいた方は
煮汁がすでに真っ黒!!!

アルミ鍋で4時間煮てみました。
まさか、こんなにも違いが出るとは!

汁だけではなく、豆自体も色がかなり違います!

写真だと分かりづらいのが残念…。

黒色は魔除けの色、悪気をはらう色。

そのため、
「黒々とした黒豆が良い」
という説があるようです。

ぜひ鉄を使ってみてください!

出来立てよりも、翌日まで
煮汁に浸かった方が黒くなりました。

火入れを2~3日繰り返すと、更に黒く発色!

甘味も馴染み、傷みにくくなるそうですよ~!

黒豆上手なコツ4 黒豆の選び方

これは私の疑問でもあります。
どんな黒豆を選べばいいのか?

「大粒の黒豆は美味しい?」

高級黒豆というと「丹波の大粒黒豆」ですよね~。

大粒だとそんなにも美味しいのでしょうか?

はい!実験してみましょう(笑)

向かって右が一般的な大きさ。
左は、10.2mm以上の選別品です。

煮汁に一晩つけた特大黒豆をアルミ鍋で煮ていきます。

4時間経過…。
えっ?まだあまり柔らかくない…。

更に3時間煮て、やっと柔らかくなりました!
計7時間!!

食べてみると…
う~ん!
たしかに食べごたえあって美味しい!

…でも冷静に考えると、一粒の食べごたえがあるだけかも?

7時間煮ることを考えると、一般家庭では普通サイズで充分!
と思った、普通な私でした!

特大黒豆はお値段もお高いので…
煮る時間や家庭用なのか?特別なのか?
を考えて選ぶのが賢いかもです!

くろまめじょうずなこつ5

ホーロー・圧力を超える裏ワザ

最初の実験で、鋳物ホーロー鍋や圧力鍋で作るのが美味しいと分かりましたねー。

でも!
一般家庭によくあるアルミ鍋で、
鋳物ホーロー鍋を超える美味しい黒豆は作れないのか?!

さぁ、いよいよ!
アルミ鍋・炊飯器が、鋳物ホーロー鍋・圧力鍋で煮た黒豆を超えられた方法をご紹介しますよ!

<方法1>重曹を入れる

1つめは、重曹を入れることです!

重曹にはアクを抜く働きがあり、アルカリがたんぱく質を分解。

そんな作用があると言われています!

<方法2>新聞&毛布で包んで一晩

2つ目は、新聞紙と毛布!!!

4時間煮たあとの熱々お鍋を
新聞紙と毛布にくるんで一晩おきます!

保温されながら徐々に徐々に熱が下がります。

そのため、翌朝食べてみたら…、
う~ん!!!
シルクのような柔らかさにー!!!

アルミ鍋がホーロー鍋を超えましたよ!
嬉しい♪

ただ、炊飯器で調理したものは、
シルクまでの柔らかさにはなりませんでした…。

炊飯器の良さは、手軽さ!
煮汁を別鍋で温める必要なく、
おかゆモードで炊くだけで完結!

これが良いと思います!
ホクホクの黒豆も美味しいですもんね♪

まとめ

【調理用具別】

私のオススメ順にまとめてみます。

鋳物ホーロー鍋4時間煮るだけで、シルクのような柔らかさ。皮だけはがれることもなし。
アルミ鍋重曹を入れ4時間煮たあとに、新聞紙+毛布に包めば、シルクの柔らかさに!
炊飯器鍋不要!炊飯器だけで完結は、かなり便利!ホクホクした豆を楽しめる!
圧力鍋たった20分で完成!かなり柔らかいが、皮がはがれる豆も多くて残念。

 

【シワを作らない方法】

・豆がしっかりと浸かる多めな煮汁で煮る

・煮汁が減ってきたら熱湯を追加する

・煮ている途中で蓋をなるべくあけない

・豆が完全に冷えるまで、煮汁につけておく

【黒々つやつやにする方法】

・鉄と一緒に煮る
・煮あがったら冷ます→火入れを、2回位繰り返す

番外編:余った黒豆の利用方法

かなりたくさん黒豆を煮まして…。
そう、たくさん余りましたー。

黒豆はもちろん、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ!

困ったのが煮汁です…。
どうしよう…。

困った時はプリン!
(そうなの?)


…ということで、
・煮汁200cc
・牛乳100cc
・粉ゼラチン5g
で煮汁プリンを作ってみました!

家族に大好評のプリンができました!

黒豆攻撃にうんざりしていた家族も
なんと、こちらはパクパク!

おせちに飽きたら、プリンもね♪
ぜひ作ってみてください!


黒豆と格闘した1週間!
豆は圧力鍋で煮る…
が当たり前だった私。

ですが、前の夜から準備し、
4時間煮、冷めたら煮返して火入れ、
を繰り返す。

このゆっくりとした時間の流れが
いつの間にか心地よくなっていました!

丁寧に、丁寧に
美味しくなぁれ♪

食材にきちんと向き合う!
そんな基本を思い出せました!

次回の食オタクノートもお楽しみに!