食オタ|食の資格者コミュニティ

削り節をコーヒーの淹れ方で?!簡単で美味しい「かつおだし」の取り方を研究

昆布だしを水出しするようになって、
私は思いました。

いつでも使える「だし」があるって、
本当に心強い!

昆布だしだけじゃなくて、他の素材でも手軽に「だし」を活用したい!

ということで、今回は「かつおだし」を簡単に取る方法を研究していきます!

「かつお節だし」の取り方

さてさて、先ずは基本を押さえないと。

「昆布だし」は前回研究しました↓

昆布だしと同じで、かつおだしも
煮出しが王道なのかしらね。

調べてみると…

【家庭向け】かつおだしの取り方

●分量
水 1リットル
かつお節 20~30g

●手順
①沸騰直前で火を止め、かつお節を加えて1~2分間待つ
②かつお節が沈んできたら、濾す
※かつお節の量は、水の重量に対して2~3%

◆かつお節だしを取ってみよう

実際にやってみましょう♪

お湯を沸かします。

沸騰直前で火を止めるんでしたね!
(うちはIHなので、火力を保温に変更)

分量のかつお節を投入!

暫く待って、1~2分間したら濾していきます。

あれ…?

お湯沸かして、節入れて濾すだけ?

お蕎麦屋さんとか、布の袋に入れて
グラグラ煮出してなかった?

調べてみると…

蕎麦屋は醤油やみりんに負けないよう、
「厚削り」を使っているからみたい。

家庭の常備だしとは、目的がちょっと違うんですね。

◆かつおだしの取り方法則

そしてどうやら、かつおだしには法則があるようなんです!!

かつおだしの取り方法則①
かつお節は無駄遣いすべからず!
かつお節の使用量が増えると、抽出効率は低下する!

かつおだしの取り方法則②
かつお節のうまみは、短時間で抽出できる!

…そうなのか!!

かつお節を多く入れなくていい、
しかも短時間でOKって。

それって主婦の味方じゃない?!

これって、本当!?

かつおだしの法則を検証!

かつおだしの取り方の法則、検証してみましょう!

①無駄遣いしない方が良い=節の量

②旨みは短時間で出る=抽出時間

この2つに焦点を当てて、実験してみたいと思います!!

かつおだしの法則実験①:かつお節の使用量比較

「かつお節は無駄遣いすべからず!」

かつお節の使用量が増えると、
抽出効率は低下するとのことですが…。

▼一般的なかつお節の分量

水 1リットル
かつお節 20~30g

今回は水1リットルに対し節20gと40gで比較してみましょう!

比較するかつお節量
●かつお節 20g
●かつお節 40g

どちらも抽出時間は
「1分」で濾していきます。

見た目は…

ちょっと見づらいですが、40g使用した方が色は濃い!

飲み比べてみましょう!

40gのかつおだしを飲むと…

「ん?酸味…?!」

真っ先に酸味を感じてしまいました。

普通に考えて、濃く出ているから
旨味以外の他の味覚も
強く感じられるのは当然なのですが…

※旨味以外の味覚=塩味、甘味、苦味、酸味

だしって、うま味を取り出すことが
一番の目的ですよね!?

かつお節をたくさん使っているのに
こりゃ勿体ない!

かつお節をたくさん使ったからと言って、旨味が強く感じられるわけではない

かつおだしの法則実験②:うまみ抽出時間比較

「かつお節のうまみは、短時間で抽出できる!」

…って、ホント?!

長い時間ひたしておいたら、濃いだしがとれるような…。

これもやってみましょう!

かつお節を入れて1~2分間待って濾す
一般的な抽出時間

今回は90℃のお湯に浸す時間、1分と5分で比較してみます!

比較する抽出時間
1分
5分

かつお節の量はどちらも2%、
水1リットルに対しかつお節20gです。

取れただしを見比べてみます。

向かって左が1分、右が5分。

ほんのすこ~し、5分の方が濃い??

そして、お味は。

う~ん。
まったく差がわからないなぁ。

かつお節の量を40gでも試してみたけれど、やっぱり差がそんなにない気がする。

つまり、時間を長くしても大差ないということですね!!

抽出時間を長くしても、そんなに味に変化はない

◆家族の意見も聞いてみた

①かつお節の量
②抽出時間
を変えて、4種類のかつおぶしだしができました!

節20g / 1分節40g / 1分
節20g / 5分節40g / 5分

※水の量はいずれも1リットル

4種類をグラスに移し替えて並べてみますね~!

黄金色のスープ♪

さすがに、40gのおだしは色も濃い!

家族にも、口の中でコロコロして味見をしてもらいました。


みんなで真剣に味覚に集中します。

「節量が多い方が濃厚だけれど…」

「節の量が少ない方が経済的だし、美味しく感じる!」

そして、抽出時間の差。

みんな「違いがよくわからない」と。

1分でしっかりうま味が抽出できるということですね!

\結論/

かつお節の量

水1リットルに対し、既定量のかつお節20gで充分!(2%量)

かつお節をたくさん使っても、
旨味が強く感じられるわけではない。

◆抽出時間

火を止めてかつお節を入れ「1分」で充分、おいしいだしがとれる!

長く置いておいても、濃い旨味が感じられるわけでもない。

「かつおだしの取り方法則」は、
本当ということが分かりました!!

つまり、かつおだしは片手間にやらず、
集中して、短時間で決着をつける!

そういうことですね♪

もっと簡単にだしが取れる方法は?

かつお節だし、かんたんに取れることが分かりました。

…でも、もっと簡単に出来ないかな?!

食オタ心で挑戦してみましょう♪

コーヒーの淹れ方で取れるか?

もしかして、コーヒーの淹れ方でもかつおだしは取れるのでは!?

市販されているだしパックなんて、
お茶パックそのものですよね?!

できそうな方法、考えてみました!

挑戦するかつおだし取り方法

●ペーパードリップ
●ネルドリップ
●お茶パック
●サイフォン

ジャーン!揃えました!

※向かって左からペーパードリップ、ネルドリップ、お茶パック、サイフォン

かつおだしを淹れてみよう

せっかくだし、カップ1杯ぶん
だし200mlずつ淹れようかな。

ということは、
かつお節量は水200gに対して
2%で4g。

大体、かつお節パック2袋分です!

それぞれにセットして、淹れてみましょう~♪

◆ペーパードリップ

一杯分のペーパードリップだと
山盛りになりましたが、いい感じです。

お湯を注げば
ぺしゃんこになりますからね!

◆ネルドリップ

はい!どんどん行きます!
お次はネルドリップ。

ペーパードリップとそんなに変わらないかな~?

味比べはのちほど。

◆お茶パック

そして、お茶パック!

パックにかつお節を入れてみる…。

うぅ…

かつお節は、ふわふわしていて、
すっごいパックしづらいです。

入れにくいし、結構こぼれました…。

◆サイフォン

気を取り直して、サイフォン!

サイフォンは映えるのでテンションも上がります♪

役者は揃いました!

一つ一つ、わかりやすく
ガラスの容器に移し替えます。

さぁ、どんな結果になるかな?!

◆飲み比べ比較

今回も家族に協力してもらい、
私も含めて飲み比べてみます!

抽出したかつおだしを並べると…。

おや!?
サイフォンだけ、だし量が多い!?

あっ、そっか!

ペーパーやネルがおだしを吸った分ね!

こう比べると、ほんの少量ですが、
ちょっと勿体なく感じますね。

あと、なんとなーく、
ペーパードリップの色が濃いような…。

そして、肝心なお味は?

順位をつけてみました!

1位ペーパードリップ
2位ネルドリップ
3位サイフォン
4位お茶パック

ペーパードリップとネルドリップは僅差でペーパードリップの勝ち!

そして!!

ネルドリップには致命的な欠陥が!!!

それは…、片付けのしにくさ!

ネルに、かつお節の匂いがついてコーヒー党の家族には不評!

「もうこのネルはコーヒーに使いたくない!」

いい匂いなのに…。

サイフォンも、同じことを言われました。

かつお節って発酵食品だし、
お魚だから、匂いに気を使います。

生臭さを消すならコレ??↓

サイフォンは、抽出量も減らないし、
うま味もしっかり感じられるのですが、
時間がかかる!

やっぱり雰囲気重視なのかも。

インスタ映えを狙って、
たまにならいいって感じです。

お茶パックは、あまり美味しく感じられませんでした。

酸味が強いからかな?

確かに、この中では一番お湯に浸かっていた時間が
長いけれども…。

期待していたのに、残念!
パックするにも苦労しましたしね。

\実験結果/

ぺーパードリップ、恐るべし!

抽出量が減るものの、味も手間も、ナンバーワン!

かつおだしの新しい時代が到来しそうです…!

節を粉末にすると良いの?

ところで、コーヒーも紅茶も粉末で抽出しています。

え。もしかして、かつお節も細かくした方が良く出るの?!

えらいこっちゃ!

私、今までの実験を全て削り節で検証してきたよ!!

確かめてみましょう!

◆ドリッパーでだしを取ってみよう

買っちゃいました~♪

その名も「ステンレスドリッパー」。

ペーパードリップと同じ機能で、
抽出量の減らないドリッパーです!

これで、より精度の高い実験が
出来る気がします!

早速、削り節をミキサーにかけて、
3種の細かさを用意します!

細かくすればするほど、かさも減りますね。

ドリッパーやお茶パックから溢れることもなさそうです。

新しいステンレスドリッパーでまたカップ1杯ずつ、
3種を比較していきます。

あれ…?気のせいかな?

細かいと、すぐにお湯が抜けちゃって
全然ドリッパーにお湯が溜まらない。

◆飲み比べ比較

何はともあれ、お味見です。

取り出せたおだしは、こんな感じ。

細かいほど、量が多くなりますね。

やっぱり粉だと、水分を含む間もなく
すぐ抜けるからかな?

お味は???

粉だと、なんだか酸っぱさが先に。

砕片だと、なんとなく苦い…?

細かいと、お掃除もしづらくて。

やっぱり削り節が一番おいしい!!
うま味を一番に感じました。

かつお節って、粉末ではなく
昔から「削り節」ですよね!

削り節で食されている理由が
分かった気がします!

粉末ではなく削り節が美味しいんだ!!

かつお節でおだしを取る時は、薄く削ったものがオススメ!

\結果/

粉末だと酸味や苦みを感じる

まとめ

かつお節だしの取り方法則を実証できました!!

◆かつお節の量
水1リットルに対し、既定量のかつお節20gで充分!(2%量)

かつお節をたくさん使っても、
旨味が強く感じられるわけではない。

抽出時間
火を止めてかつお節を入れ「1分」で充分、おいしいだしがとれる!

長く置いておいても、濃い旨味が感じられるわけでもない。

そしてかつお節だしは、コーヒーの淹れ方でもOK!!

特に、「ペーパードリップ」がオススメ♪

こだわり派には「ステンレスドリップ」で。

※ペーパードリップだと、抽出量が減るだけでなく、紙の匂いが付くそうです。
(今回、私は全く気になりませんでしたが…。)

そして粉よりも、砕片よりも、削り節が一番おいしかったです!

そして、ずっと伝えられてきた分量は守るべきですね~!

伝統には理由があるのだ!!!


今回は、敷居の高そうな
「かつおだし」を追究してみました。

実験で出たかつお節のだし殻は、
人参しりしりに!

我が家では、よくツナ缶の代用として
かつおの出し殻を使います。

コーヒーと同じ方法でだしが取れたり、
出し殻がツナの代わりになったり、
意外と自由なかつおだし。

ドリップでも簡単に淹れられるので、
ぜひ試してみて下さいね!!

みなさんに、だしのある生活を♡

ではでは!
次回の食オタノートもお楽しみに