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煮魚(カレイ)が煮崩れしない方法を検証!煮汁の量がポイント?!

食オタノート編集会議でのこと。

「煮魚って難しいよね~?」
「そうそう、煮崩れちゃったり」

白身魚は煮付けて食べるととても美味しい!

でも、煮崩れしやすいという難点が。

よし!

じゃあ失敗しない煮魚の作り方を検証しようじゃないですか!

煮魚の作り方のコツ

煮魚にする魚と言えば…

カレイ!

銀ダラ、金目鯛、メバルなんかも煮魚にすると美味しい。

でも煮魚は、やっぱりカレイかな!

◆煮魚にする魚の種類は?

ところがこの日、魚屋さんにはなんと3種類のカレイが!!

どれにしようかな~???

赤カレイ

背面の皮がなんとなく赤黒い。

めいたカレイ

こちらは背面の皮は結構黒っぽい。
模様が独特。

なめたカレイ

こちらは背面の皮は茶色っぽい感じ。

なめたカレイってこう見えて(?)
高級魚なんですよね~!!

なめたカレイ1切=他のカレイ2切とほぼ同じ値段!

さて、この3種の中から
どれを選ぶか。

魚屋さんに聞いたところ即答!

やっぱりなめたカレイですか。

身はほどよく弾力があって
上品な味!

そして、見て!
この立派な子持ち!!

3月~4月頃に産卵するため、その少し前のメスは子持ちです。

なめたカレイ、この卵がまたふわふわで絶品なんですよね~♪

ちょっとお高いけど
せっかくなら美味しい煮魚食べたい…!

じゃあ、なめたカレイを買おう。

そこへ魚屋さんが一言。

なんと!!

ますます煮魚検証にうってつけの
魚じゃないですか!

もうなめたカレイを煮るしかない!!

◆失敗しない煮魚のコツ

魚のことは、魚のプロに聞くべし。

カレイを買ったついでに
煮魚を上手に作るコツがないかも
魚屋さんに聞いてみました。

そこで出てきたのは以下の4つ。

煮魚で失敗しないコツ4か条
(1)鍋の中で動かさない
(2)蓋をして「弱めの中火」
(3)皿に盛るときはそーっと
(4)煮汁は少なめ

(1)鍋の中で動かさない

煮魚を動かさないというのはよく聞きますよね。

煮ている途中で菜箸で混ぜるのはNG!

ひっくり返してもいけません!!

触っちゃダメ!

 

(2)蓋をして「弱めの中火」

強く煮立てると魚が動く原因になるので、
煮崩れしちゃいます。

弱火過ぎるとなかなか火が通らなくて
魚の生臭さが出ちゃう。

弱火も強火もダメ!

火加減は「弱めの中火」を心がけます!

(3)皿に盛るときはそーっと

ヘラなどで魚全体を支えてそーっとお皿に移動します。

ごもっとも!

(4)煮汁は少なめ

煮汁少なめって??

多いと鍋の中で魚が動きやすくなるから確かに、よくないですよね。

どれくらい少ないといいんだろう…?

魚屋さん曰く…

ちょっともやっとした
アドバイス…苦笑

今回は「煮汁の量」にポイントを絞って
煮魚研究を進めてみましょう!

 

煮魚検証1:失敗しない煮魚の煮汁量

わが家で家族に喜ばれる煮汁はちょっと濃いめ。

糸井家の煮汁黄金比】
水:大さじ6(90㏄)
酒:大さじ6(90㏄)
醤油:大さじ4(60㏄)
みりん:大さじ3(45㏄)
砂糖:大さじ1強(18㏄ほど)

今回の検証ではこの割合の煮汁を使用。

この対比は崩さず、量を変えて検証します。

 

煮汁量:魚の高さの3/4

まずはやってみましょう!

魚屋さんが言う「かぶらないくらい」
ってどれくらいの煮汁量なんだろう??

買ってきたカレイの高さは約4cm。

う~ん。
かぶらないくらいって、
水深3cmくらいの煮汁量?

フライパンに
「3cm」の高さになるの煮汁量を
入れてみようかな?

大きめのフライパンだったから
煮汁量1400ccに!汗

多い!!

※煮汁1400ccの内訳
・水 大さじ約28(417cc)
・酒 大さじ約28(417cc)
・醤油 大さじ約19(278cc)
・みりん  大さじ約14(208cc)
・砂糖  大さじ約5.5(83cc)

これをとりあえず煮立てて…

お…、多いな…。

カレイを投入!

はみ出た部分には、スプーンで煮汁をターっとかける!

何度か煮汁をかけた後は落し蓋をします!

あれ?
これじゃ小さいな…。

ということで、今回はアルミホイルで
おとし蓋をしました。

教えてもらった火加減は
「弱めの中火」でしたね!

触らず、放置すること9分。

1回目のカレイの煮魚完成♪

煮崩れなかったー!!!

魚屋さんのアドバイス通りで、こんなに美しい煮魚に♡

で…でも煮汁量が1400ccって、ちょっと多すぎじゃない…?

もちろん使う鍋やフライパンの直径にもよりますが。

(今回は魚に対しかなり余裕あり…↓)

調味料もったいない。

もう少し減らせないかなー?

ということで
煮汁量を減らして2回目の検証!

煮汁量:魚の高さの半分

さっきは魚の高さ4cmに対し、
3cmの煮汁量にしました。

今回は「2cm」にしてみよう!

魚の高さの半分つかる
煮汁量ですね!!

煮汁量は、約900ccに。
それでも結構多いな…。

煮汁900㏄の内訳
・水 大さじ18(270㏄)
・酒 大さじ18(270㏄)
・醤油 大さじ12(180㏄)
・みりん  大さじ9(135㏄)
・砂糖  大さじ約3.5(54㏄)

煮汁が煮立ったらカレイをイン!

さっきと同じように
スプーンで煮汁をかけます。

そして、弱めの中火で落し蓋をして煮込みます。

9分後、完成~!

カレイの下面が少しに崩れちゃった!

これは私が皿にカレイを移すときに
思わず傷付けてしまったものです。

うっかり手が滑ってしまった(反省)

でもそれ以外は特に問題なく、
パッと見て美味しそうな雰囲気♪

魚が半分しかつからない煮汁量でも
キレイに煮付けられました!

でも。

900㏄の調味料って、結構あるよ。
1リットル近いんですから…。

もっと、煮汁減らせないかな~??

煮汁量:魚の高さの1/4

魚の高さの半分の煮汁で作れたなら、
1/4でもできるかも?!

魚の高さ4cmに対し、煮汁量1cmでいってみます!!

さっきまでと同じフライパンで
450ccの煮汁です。

煮汁450㏄の内訳
・水 大さじ9(135㏄)
・酒 大さじ9(135㏄)
・醤油 大さじ6(90㏄)
・みりん  大さじ4.5(67.5)
・砂糖  大さじ約3(27㏄)

現実的な調味料の量だ!

フライパンに入れて煮立たせ、
カレイをすっと落とします。

同じく、弱めの中火にして
落し蓋をして煮込むこと9分。

できたー!

あら♡
1cmの高さの煮汁でも十分そう。

皮も破れることなくキレイ♪

しかも、煮汁が濃くなって食欲をそそる色(と香り!)!!

1回目の高さ3㎝の煮汁の時と
色を比較してみると…

やっぱり違う!

色だけじゃなく、煮汁が少ない方は
とろみも出ていました。

煮汁を少なくしたのに
煮込み時間が同じなので、
煮詰まって濃くなったのかな。

とろみのおかげで
煮汁が魚によく絡まる!

これは、究極にご飯に合うぞー!!!

 

結論:失敗しない煮魚の煮汁量

魚の1/4がつかる煮汁量で充分!!

高さ4cmくらいの魚だったら、
鍋に高さ1cmの煮汁量。

これでキレイな煮魚が
作れることがわかりました♪

煮魚検証2:下処理で煮崩れ防止効果はあるか?

煮魚をもう一度作ってみたら
こんなひどいことに…。

ちょっと油断したら、ホロホロと崩れちゃいました。涙

煮る前の下処理でどうにかならないかな~?

この2つの方法で検証してみましょう!

【検証する下処理方法】
●霜降り
●漬け

「霜降り」すると煮崩れしないか?

「霜降り」とは、魚に熱湯をかけて、汚れ(うろこや血合い)を流す下処理方法。生臭さを取るために行う。

表面に火が通るので、煮崩れ防止に繋がりそう!?

まずは、熱湯をカレイの両面にサーっとかけます。

パッと表面が白くなりました。
霜降りは、これでOK!

霜降りしたカレイを
これまでと同じ鍋(フライパン)に
高さ1cmの煮汁で煮ます。

さてどうなるかな…!?

落し蓋をして9分。

お皿に盛り付け!

んん!?

キレイに煮付けられたけど、
劇的にキレイというわけでもない感じ。

しかも皮が破れていた。

うーん。

「霜降りは、煮崩れ防止に効果的」
とは言えないのかも??

【結論】
「霜降り」は煮崩れ防止になるとは言えない

そもそも「霜降り」は、臭いや汚れを取るため下処理。

新鮮なカレイなら、元々そんなに臭みは気になりません。

魚屋さんで、ウロコもしっかり取ってもらってるしね~。

 

「漬け」にすると煮崩れしないか?

「漬け」とは醤油やみりん、味噌などの調味料に漬け込む下処理方法。臭み取りのほか、保存の役割もある。

浸透圧で余計な水分が出ることで、身が締まって崩れにくくなりそう!?

今回は、漬け地は煮汁と同じものに。

余計な水分が抜けて、味が染み込むこの方法。

より美味しい煮付けになるかも?!

全体に煮汁が回るようにキッチンペーパーをかぶせます。

これで冷蔵庫で1時間。

ほんのり色づいたかな~?

下処理が完了したので、1cmの深さの煮汁で煮ていきます!

落し蓋をして9分。

パッと見はいい感じでしょうか!?
卵が散らかってますが気にせず!

ただし、何も下処理していない場合と比べて
大した違いがないような…。

漬けもわざわざやる必要はないかな~。

【結論】
「漬け」は煮崩れ防止になるとは言えない

でも、もしかしたら漬けにすると味は良いかも!?

・下処理なし
・霜降り
・漬け

の3つを並べてみました。

下処理していないものが少し身の色が薄く見えますね~。

ということは、あまり煮汁が
馴染んでないのかな?

身の中はどうだろう??

漬けのものも、中は白いまま。
染み込んでいる様子はありません。

漬けにすると味が浸透しやすい、
ということもなさそうですね。

 

まとめ

煮崩れさせない煮魚の作り方を
煮汁と下処理の点から検証しました!

煮魚で失敗しないコツ4か条

(1)鍋の中で動かさない

(2)蓋をして「弱めの中火」

(3)皿に盛るときはそーっと

(4)煮汁は少なめ

煮汁の量

煮汁は少なめで、
魚の高さの約1/4の深さで充分!

フライパンに1cm水深くらい。

下処理

また「霜降り」「漬け」などの下処理は
煮崩れ防止にはならなそうです。

カレイは身が柔らかくて
ちょっとした衝撃で身が崩れやすい。

でもコツを守って丁寧に作るときっと失敗しないはずです!!!

 


後日。

美味しいなめたカレイの煮付けが
作れたお礼を伝えに、魚屋さんへ。

そしたら…

なにー!!

確かに熱いうちの身は、
ふわふわほろほろ。

でも、冷めると固くなりますよね。

今回の検証でも、
崩さないようにお皿に移すときが
一番大変だった気も。

見栄え重視で美しく仕上げる時は、

盛り付ける前に少し冷ます

も条件に入れても良さそうです。

とはいえ、やっぱり出来立て食べたいですよね♪

どれくらい冷めると硬くなるのか、
また別の機会に検証してみよっと♪

みなさんも美味しい煮魚を楽しんでくださいね!

次回の食オタノートもお楽しみに♪