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こだわりのゴマ和えの作り方〜こだわりのゴマ油をそえて
野菜に真剣に向き合っていると思うこと、、、
「野菜の風味や甘さをきちんと生かしてくれる調味料を選びたい!」
……そして調味料を変えてみると
「えっ!私ってこんなにも上手だったっけ?」
って思えちゃう料理が出来上がるから不思議!
昔、料理に目覚めさせてくれたのがこのゴマ油でした。
偶然にもご縁をいただけて、
長い間愛用しているこのゴマ油の工場見学に伺えました。
なぜこんなにも料理の腕をあげてくれるのか!!!
その答えがはっきりとわかりましたよ〜
ご案内下さったのは株式会社山田製油の
工場長大槻さんと営業の小林さん。
大槻さんは、なんと体脂肪8%!
ゴマ油の試飲でどんぶり1杯飲む日もあるというのに、なぜ〜〜?
「ウチの油が変な油分を流してくれてるんじゃないかなぁ、、、」
と謙虚な笑顔!
……ど!どういうことですか?
さぁ、根掘り葉掘り聞いちゃいましょう!
ゴマ油ができるまで
みなさん、ごま畑って見たことありますか?
コチラです! どーん!!!
5月頃に播種をし、9月頃に収穫できます。
これを乾燥させたものがコチラです。
乾燥すると鞘から種子がはじけてゴマが出てくるとのこと。
「開け、ゴマ!」はここからきているとか、、、
第一工程=焙煎
この焙煎が大事!
焙煎のやり方によって、香りや甘味が変わってくるため、
焙煎に携われる方は限られているとか!
トン単位で焙煎する会社もある中、
山田製油さんの機械は、一度に40kgしかできないそう、、、
「味を守るための社長のこだわり!!!」
ゆえに、できたらすぐ出荷!
倉庫に1ヶ月放置されることなんてまず無いとのこと!!!
焙煎時間は気温・湿度でかわり
「指先でつぶした時にでる油の出具合で判断してます」
と大槻さんからプロならではの発言が!
第二工程=圧搾
焙煎された油は圧搾されて〜
出てきました!出てきました!
ものすごく良い香りです!!!
コチラは大槻さんいわく「油のカス」
……でも、でも、まだまだゴマの粒がありますけど〜
通常ゴマには50%油分があるけれども、
山田製油さんでは30%のみをゴマ油にしているとのこと。
「ウチは一番絞りにこだわっていますので!」
二回、三回と絞れるのですが、苦味・えぐみが出てしまうそうなんです。
さすがのこだわりです!!!
第三工程=充填
圧搾されたら瓶に充填して完成!
一応これが全工程です。
なんかあっという間に完成しそうですよね、、、
なのに山田製油さんでは出荷までに3週間はかかるとのこと。
その意味はこの写真にあります。
右が圧搾された直後のゴマ油。
左のキレイな琥珀色に仕上げるために、ものすごい企業努力が!
湯洗い
「圧搾されたゴマ油の中にお湯をいれます」
と大槻さん。
油の中にお湯ぅ?????
耳を疑う一同、、、、、
「ゴマ油の中の不純物が水と混ざって分離してくれるんですよ」
たしかに底の方に沈殿物が、、、
「このうわずみだけをすくうと琥珀色のゴマ油ができます!」
なんと沈殿までに2〜3週間かかるとのこと。
濾過しているメーカーがほとんどの中、なぜ、、、、
「この湯洗いの2週間によって、まろやかになりますからね〜」
と今日一の笑顔の大槻さん。
山田製油さんのゴマ油瓶にそのプライドが現れていました!
「手間なのにシールを2枚にわけて貼っているのは、
この隙間から琥珀色を見てほしいからなんです!」
と小林さん。
はぁ〜気づきませんでした!
「少しのオリも許しません!」
と今日一厳しい顔の大槻さん。カッコイイ!!!
「少量でゴマ油の香りがする油。飲めるゴマ油を目指しています!
ウチの油は、コクで食材の甘さをひきたたせ、
胸やけがしない油です!」
これだけこだわりをもって作られている大槻さんだからこそ言える
「ウチの油」という言葉!
山田製油さんでは、他の製品にもすごいこだわりが!
石臼&半ずりのすりゴマ
よく見ると、すりゴマの間に普通のゴマが、、、
「口の中で噛んだ時にゴマが香りが広がるよう、
あえて半ずりとなるような機械にしています!」と、、、
しかも香りや風味は熱に弱いので、
熱を逃しながらすりつぶしてくれる石臼にこだわっているんだとか!!!
ポタポタおちるねりゴマ
甘みを最大限に引き出す焙煎をし、
摩擦熱で風味がおちないようにゆっくりゆっくりすりつぶしているそうです!
このポタポタな感じだと1袋できるのに何分かかるのでしょう〜〜〜
「大丈夫です、機械を1台増やしましたので!」
そっちなんですね〜〜〜
普通はスピードあげようと思いますけどぉ、、、
……でも、でも、できたてを試食させていただいたら
もうスィーツのように甘い!!!
デザート変わりになるほどの美味しさです!
鳥肌立ちっぱなし&感動の工場見学の帰り道、
野菜ソムリエ仲間の増田さんから素敵な発言が!!!
「良い調味料を使った時って、
きちんと料理しようと思うよね!」
そうです!そうです!
せっかくなら、すごく美味しい料理にゴマ油を使いたい!
大人買いしてきた、ゴマ油・すりゴマ・ねりゴマを使って
最高の料理を作りたい!
……ゴマ=ゴマ和え
ということで、
「時間がたっても水っぽくならないゴマ和え」実験開始です!
ゴマがいきるゴマ和えの作り方
ゴマ和えは食べる直前に和える、、、
が基本ですが、そうは言っても作り置きしたいですよね!
でも時間がたつとホウレンソウからの水分がでて、、、
まずは作り方によって、水っぽさに違いがでるか調べました!
ゆでたホウレンソウは茎葉が同じ量の50gになるように計量。
6種類の方法で作ってみましたよ!
①(一般的な作り方)砂糖小さじ1、醤油小さじ1、すりゴマ大さじ1
②(すりゴマ量を倍に!)砂糖小さじ1、醤油小さじ1、すりゴマ大さじ2
③(醤油洗い)砂糖小さじ1、醤油小さじ1/8、すりゴマ大さじ1
④(和える前に再度しぼる)分量は①と同じ
⑤(仕上げにゴマ油をかける)分量は①と同じ
⑥(ねりゴマ使用)砂糖小さじ1、醤油小さじ1、ねりゴマ大さじ1
醤油洗いとは、、、
食材に醤油をまぶした後に余分な水分を絞ること。
ひと手間ですが、あえごろもをなじみやすくします!
醤油洗いした③は、あえごろもの醤油量を減らしました。
①と②のあえごろもの見た目はこんなにも違います、、、
さぁ、6皿並べて実験開始です。
6時間後
①一般的作り方
⑤ゴマ油をかけたもの
⑥ねりゴマ使用
からは水分が出てきましたね〜
ゴマ油をかけておけば水分をコーティングしてくれるかと思ったんですが、、、
逆に油が水分を引き出してしまったようです。
ゴマ油は食べる直前にかけるべきですね!
②すりゴマ量2倍使用
③醤油洗いしたもの
④あえる前に再度しぼったもの
からは全く水分が出てきていません!
2日目
大変!冷蔵庫に入れておいたら、水分が蒸発してしまいましたぁ〜
これでは実験にならないと、大急ぎで力の限りしぼってみましたよ!
《水分量ランキング》
①一般的な作り方 10cc
⑤ゴマ油をかけたもの 8cc
②すりゴマ量2倍使用 3cc
⑥ねりゴマ使用 2cc
③醤油洗いしたもの 2cc
④あえる前に再度しぼったもの 0cc
「あえる前に再度しぼる」や
「醤油洗い」というひと手間によって
その後の美味しさが変わってくるんですね〜〜〜
《美味しさランキング(個人的見解)》
1位は、「④あえる前に再度しぼったもの」でした!
パサパサなのでは?と思って食べてみたら、
全くそんなことは無く、ホウレンソウの甘さがひきたっていました!!!
2位は「醤油洗い」。コチラも甘くて美味しい!!!
3位は「ねりゴマ使用」ねっとりと美味しかったです!
やはり絞った水分量が多かったものは、ぼんやりした味に、、、
甘味が水分と一緒に出てしまうということですね!
番外編
ホウレンソウの正しい茹で方
①根元に十字の切れ込みを入れてから洗う
泥がおちやすく、根元に火が通りやすくなります
②たっぷりの沸騰したお湯を用意
お湯が少ないと、ホウレンソウを入れた時に温度が下がってしまいます
③根元をたてて20秒、全体をお湯にしずめて40秒
④ざるにあげたあと、アツアツのままお皿にのせて冷蔵庫へ
すぐに冷やすことで鮮やかに!
ゆですぎ、ざるで放置しすぎは要注意ですよ!
まとめ
美味しい「ホウレンソウのごま和え」の作り方
①ホウレンソウは強火のままサッとゆでる
②醤油洗い、または和える前に再度しぼってからあえごろもを合わせる
③食材の甘さ、風味をいかす質の高いゴマ油を使う
これで決まりですね!
今回の工場見学を企画下さった食通な柳澤さんの言葉
「良いものが入ってきた時に
身体が喜ぶ感覚を身に着けてほしい」
本当に良いものって何だろう、、、
その答えの一部が今回わかりました!
野菜にも調味料にも、もっともっと真摯に向き合いたい!
そしてその情報をどんどん発信したい!
これからの野菜オタクノートは更に面白くなりそうですよ〜
次回もお楽しみに♪
フードメッセンジャー:根本 早苗(ねもとさなえ)
野菜ソムリエ
野菜が主役の料理教室を主宰しています。 “野菜の栄養、冷凍テクニック、彩りある盛付けを学びたい” という方のための、少人数サロンです。 また、”つくりおき冷凍し、毎日野菜を摂取してほしい” という思いのもと、企業様、自治体様等にて 「つくりおき冷凍レシピ」セミナーも行っており、 食育の大切さ・食品ロス削減の観点での講演をしております。 企業様のレシピ開発・レストランコンサルタントの活動も始まりました!
料理・セミナー講師・レシピ開発