DICTIONARY
野菜辞典
野菜オタク監修野菜辞典
モロヘイヤ <野菜オタク> 野菜辞典 vol.13
モロヘイヤ 【 植物学上の分類 】 シナノキ科
【 旬 】 夏
【 用途 】 おひたし、汁物、揚げ物、サラダ
【 保存 】 水を含ませたキッチンペーパーで包みポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存 2〜3日中に使い切る
【 栄養・機能 】 ネバネバ成分ムチンが胃腸や目の粘膜を守る カロテン含有量ナンバーワンで「王様の野菜」と言われるほどの滋養野菜
野菜ソムリエの生活豆知識
「王様の野菜」と呼ばれる、 栄養素たっぷりのネバネバ野菜。 古代エジプトで、5000年も前から食べられてきた健康野菜です。
葉は摘み取って使うのか?茎も食べるのか?
結論、葉っぱは摘み取っても摘み取らなくてもOK、 ぜひ茎も食べましょう。 モロヘイヤはアクがあるので、基本的に下茹でをします。 葉っぱの部分は下茹でと言っても、 さっとお湯に通すくらいで充分。 なので、時間のかかる茎と葉は別々に、 葉を摘み取っておいた方が上手に下茹でできると言えます。 ただし、面倒なときは、 ざっくり茎と葉に分けておけば大丈夫です。
茎ももちろん食べることができます。 捨てずに一緒にいただきたいですね。 茎が硬い場合は細かく刻んで、味噌汁などに入れましょう。
「王家の野菜=ムルヘイヤ」滋養パワー
モロヘイヤは「王家の野菜」を意味するアラビア語「ムルヘイヤ」から。 病に倒れたエジプト王が、 モロヘイヤのスープを飲んで治ったという伝承があり、 そこから「王家の野菜(ムルヘイヤ)」と呼ばれるように。 あまりに滋養のある野菜のため、 王族以外は食べることを禁じられるほどだったと言われています。 モロヘイヤは熱帯の砂漠地帯でも育つ貴重な葉物野菜です。 エジプトでは5000年以上前から一般に広く食べられてて、 伝統家庭料理として、現在でもモロヘイヤスープが親しまれています。
エジプト王のモロヘイヤスープ
王様の病まで治してしまうほどのモロヘイヤスープ。 ぜひ、いろんな味で楽しんでみてください。 モロヘイヤスープの作り方は、とっても簡単。 葉っぱを細かく刻んで粘りを出し、 スープにいれてひと煮立ちで完成です。 ・ブイヨンスープ(コンソメスープ) ・トマトスープ ・中華風スープ など 下の写真のように お味噌汁に入れても美味しいですよ! ぜひお好みの味で、 モロヘイヤスープを作ってみてくださいね。
健康野菜モロヘイヤ
まだ日本では比較的新しい野菜ですが、 80年代の健康食品ブームで火がつき、 またたく間に普及しました。 モロヘイヤには、ずば抜けた栄養価があります。 βカロテンの含有量は、野菜の中でナンバーワン! カルシウムやカリウムもトップクラスで、 他にも多くのビタミンB群、C、E、などが含まれています。
ネバネバ成分で粘膜を保護!
モロヘイヤのネバネバ、 これはオクラと同じ成分です。 これは、胃腸や目などの粘膜を保護してくれます。 そんな粘膜保護パワーがあるため、 糖の吸収を遅らせて血糖値の上昇を抑えたり、 胃炎や胃潰瘍などへの効果も期待されています。 疲れた胃粘膜を守ってくれ、 茹でた葉を叩くように刻んで混ぜると、 よりネバネバが出てきます。 「モロヘイヤとろろ」にして、 ごはんや豆腐にかけ醤油をたらしたり、 納豆に混ぜてもおいしいですよ。
モロヘイヤを冷凍保存
生のまま保存するには、 モロヘイヤを束ごとキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れ、 冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。 保存期間は2日程度です。 食べきれないときは、 新鮮なうちに冷凍保存しておきましょう。 熱湯にくぐらせる程度ゆでで、叩いて刻み、 小分けにしてラップに包み冷凍庫へ。 1カ月くらい持つので、 凍ったままスープに入れて、 使いたいときに調理に使えます。
食べすぎは注意
モロヘイヤは、 シュウ酸が多く含まれていると言われています。 シュウ酸は多量に摂取すると 結石の原因物質のひとつにもなりえます。 その点はご留意ください。 栄養満点のモロヘイヤ。 何ごともそうですが、 食べすき、摂りすぎにはご注意を。
野菜ソムリエの産地レポート 〜モロヘイヤ編〜
数日前のことです。 365マルシェにいらっしゃったお客様から 「このマルシェでモロヘイヤに出会って以来、探し歩いているのよー!」と。 マルシェで購入いただいたモロヘイヤがとても美味しくて、 はまっちゃったとのこと。 そんな声を聞くと嬉しいですね!! もうそろそろ夏も終わり、 モロヘイヤも終わりの時期。 茨城県取手市の岩城農園へ行ってきました。 岩城さんのモロヘイヤ畑、 まるで生垣のように立派に育っています。 夏に畑にうかがったときは膝くらいの背丈でしたが、 大きく成長していました。 モロヘイヤには、「食べて良い時期」というのがあります。 実は、モロヘイヤの種と実には “ストロファンチジン”という致死性の有毒成分が含まれていて、 以前、実の付いたモロヘイヤを食べた家畜が死亡したという 事件も起こりました。 特に種が猛毒なんです。 国の発表で、収穫期の葉・茎・根や、花のつぼみも、 ストロファンチジンは検出されず、安全とされています。 岩城さんに、実際のモロヘイヤを見ながら その話しも教えていただきました。 でも、私たちが口にするモロヘイヤに、 実がついているものなんて 見たことがないですよね。 それは、プロである岩城さんのような農家さんが、 それを知っていて、きちんと見極めて、 出荷してくれているからなんだなーと改めて思いました。 「安心安全」って、 こういうこと。 そんな岩城さんが収穫してくれていたモロヘイヤ、 翌日の365マルシェ出荷準備の お手伝いをさせていただきました。 モロヘイヤは、袋の口があいたままだと、 すぐに葉がしなびてしまうそうです。 セロテープで丁寧に口をしめていきます。 一袋一袋、こうしてパックしていくのも、 とても大変な作業ですね。 それにしても、葉がピンとして 美味しそうなモロヘイヤ!! 私たちが詰め作業をお手伝いしたモロヘイヤは、 翌日の365マルシェで販売しました!! あっという間に完売! 岩城さんの新鮮なモロヘイヤ、 マルシェで見かけたらぜひ食べてみてくださいね。 あなたも、はまっちゃうかも!
産地取材 2016年10月4日 佐々木久美子
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フードメッセンジャー:藤田 久美子(ふじたくみこ)
野菜ソムリエ
食のオタクの力で食育機会を作り、世界を健康に!
大人&こどもへの食育、イベント企画や運営、講師など、人前でお話しすることが好き♪販売やPRプロモーションなど、お客様とのコミュニケーションも得意です!野菜でパーティー会場装飾「ベジデコ」も行います