DICTIONARY
野菜辞典
野菜オタク監修野菜辞典
キャベツ <野菜オタク> 野菜辞典 vol.11
キャベツ
植物学上の分類 | アブラナ科 |
---|---|
旬 | 冬、春 |
用途 | 炒め物、サラダ、汁物、漬物 |
保存 | 芯の部分に濡らしたキッチンペーパーをあてて、周りを外葉で包み、 ポリ袋に入れて冷蔵庫へ |
栄養・機能 | ビタミンU(キャベジン)が、胃粘膜を保護する |
食のオタクの生活豆知識
キャベツはヨーロッパ原産です。
キャベツの祖先は、古代ギリシャ・ローマ時代から食べられきた 最古の野菜の一つ、ケール。
主に、春キャベツと冬キャベツに分類されます。
春キャベツと冬キャベツ
春の訪れを感じさせてくれる、春キャベツ。 ですが、 そもそも「春キャベツ」って何でしょうか?
春キャベツ(春玉、春系)
旬 3〜5月 みずみずしくて、生食向き 葉の巻きがゆるく内部まで黄緑色 丸い形
冬キャベツ(寒玉)
旬 1〜3月 硬めで、甘みがあり、煮込み向き 何重にも葉が巻いていて、ずっしり 横から見ると扁平な形
春キャベツは葉が柔らかく、 生のままサラダや千切りキャベツがぴったり。 それまでは冬に収穫する寒玉が一般的だったのですが、 静岡県富士市で春に収穫できるキャベツ(富士早生)が誕生し、 各地で春キャベツの栽培が広まりました。 春キャベツはその美味しさで人気が高まり、 近年の生産量が増えています。 一方、王道の寒玉、冬キャベツは 加熱すると甘みが増します。 ポトフやロールキャベツなどに最適。 加熱して溶けだした栄養素も、 スープで飲み干しましょう。
キャベツの上手な買い方
カットされたものよりも、 できれば丸々1個買うほうがオススメ。 なぜかというと、その方が鮮度を長く保てるから! 切り分けてしまうと空気に触れる面が増え、 どうしてもそこから鮮度が落ちやすくなってしまいます。 といっても、 使い切れないときはカットされたものも便利ですね。 1/2や1/4のカットキャベツを選ぶときは、 カットされた断面が盛り上がっているものは避けましょう。 切られてから時間がたっていることが考えられます。
おいしいキャベツの選び方
春キャベツも冬キャベツも、 持った時に存在感のあるものを。
寒玉は特に、ずっしり重いものを選んでください。
葉は、ハリツヤの良いものを。
今にもはち切れそうなビチビチしたものは、 甘みがのっています。
春キャベツは ふんわりと葉っぱが巻いているみずみずしいものが、 柔らかくておいしいです。
芯の切り口が黒ずんでいたり、乾燥激しいものは、 時間が経過している可能性があります。
外葉は捨てずに持って帰ろう
キャベツ売り場で、 外葉を捨てるゴミ箱が設置されているお店もありますね。
とても親切なのですが… もったいない!! 外葉にはとっても大事な役割があるのです。
それは、鮮度保持。
外葉には栄養も豊富なので、もちろん食べるのも◎ですが、 外葉に包んで保存するととても効果的なんです。
また、キャベツは半分などに切らずに、 1枚づつはがして使う方が、鮮度を長く保てます。
下の写真のように茎もとに包丁で切れ目を入れて、 1枚1枚葉をはがしていきます。
そして葉をめくって小さくなった玉を、 外葉で包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ。
ラップ以上に鮮度を保てるとも言います。
外葉は捨てず、 おいしいキャベツの保存に役立てましょう。
千切りキャベツを上手に
まず葉を1枚づつはがし、 固い芯の部分を三角形に切り取ります。
葉を重ねたら両脇から丸め、 芯と垂直に千切りにします。
美味しいせん切りキャベツは、 ちょっとした手間暇から。
せん切り後、水に少しさらすとシャキッとしますが、 長く水につけると栄養素が抜け出てしまいます。
水にさらすのは短時間、 しっかり水けをきって食卓へ。
キャベジン!胃腸の不調に!!
「ビタミンU」は、キャベツから発見されたので 「キャベジン」とも呼ばれています。
キャベジンって、 どこかで聞いたことのある胃薬の名前ですよね!
そのイメージぴったりで、 キャベジンは胃の粘膜を保護し、修復するはたらきがあり、 胃酸の分泌を抑えてくれます。
胃炎や潰瘍の予防や回復にも、効果があると言われています。
水溶性ビタミンなので加熱には弱いですが、 火を通すとかさが減るので、 たっぷり食べるには効果的。
ですがやっぱり、効率よくとれるのは、生がいちばん。
油っぽいトンカツと、 胃粘膜を守ってくれるキャベツは、 まさしくベストマッチングな組み合わせですね。
ビタミンCもたっぷり!
ビタミンCの含有量は、 淡色野菜の中ではトップクラス!
特に紫キャベツは、 緑のキャベツよりも多くのビタミンCを含んでいます。
品種
春玉(春キャベツ)
【 特徴 】
葉が柔らかく生食向きの春キャベツ。 葉の巻きがふんわりしていて、形は丸い。
寒玉(冬キャベツ)
【 特徴 】
加熱すると甘みが増す、冬のキャベツ。 形は扁平で、葉の巻きはギュッと詰まっている。
高原キャベツ(夏キャベツ)
【 特徴 】
寒玉が改良された品種で、夏に、高原などで収穫されるキャベツ。 長野県や群馬県嬬恋村などが産地。
グリーンボール
【 特徴 】
小ぶりの丸型のキャベツ。 中まで黄緑色で葉もしっかり詰まっていて、甘みがあり柔らかい。
赤キャベツ(紫キャベツ、レッドキャベツ)
【 特徴 】
赤紫色が鮮やかなキャベツ。色素はアントシアニン。 葉は硬めで、千切り等でサラダに混ぜたり、酢漬けなどに。
ポインテッド(たけのこキャベツ)
【 特徴 】
たけのこのように、先がとがった円すい型のキャベツの総称。 葉が柔らかく、生食用。
芽キャベツ(子持ち甘藍、子持ちカンラン)
【 特徴 】
キャベツの芽ではなく、直径3cmほどの小さい品種。 まるごとスープやシチューなどに。 旬は年末から2月にかけての冬で、普通のキャベツの3倍ものビタミンCが含まれる。
プチヴェール
【 特徴 】
芽キャベツくらいの大きさで、結球していない。 芽キャベツとケールを掛け合わせてできたもの。
野菜オタクは、野菜の旬や食べ方、保存方法、栄養素、品種などをナビする図鑑・辞書(辞典)です
©VACAVO inc.(株式会社ヴァカボ) 当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。
フードメッセンジャー:藤田 久美子(ふじたくみこ)
野菜ソムリエ
食のオタクの力で食育機会を作り、世界を健康に!
大人&こどもへの食育、イベント企画や運営、講師など、人前でお話しすることが好き♪販売やPRプロモーションなど、お客様とのコミュニケーションも得意です!野菜でパーティー会場装飾「ベジデコ」も行います