DICTIONARY
野菜辞典
野菜オタク監修野菜辞典
落花生 <野菜オタク> 野菜辞典 vol.22
落花生(らっかせい、ピーナッツ)
植物学上の分類 | マメ科 |
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旬 | 晩夏、秋 |
用途 | おつまみ、ピーナッツバター、炒め物 |
保存 | 生の落花生の場合は、冷蔵庫の野菜室で保存(保存期間は1週間ほど) 乾燥落花生の場合は、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて冷蔵庫で保存(1年以上可能) |
栄養・機能 | 老化防止に効果的なビタミンEをはじめ、オレイン酸、リノール酸、ナイアシンなど |
野菜ソムリエの生活豆知識
落花生(らっかせい)とピーナッツは、どちらも同じものです。
殻付きのものを“落花生”、 中の豆だけの状態のものを”ピーナッツ” と呼ぶことが多いです。
落花生は土の中にできる!
ラッカセイは枝についていると思われがちですが、 実は、土の中になっています。
ピーナッツとは呼ばれていますが、 ナッツ(=木の実)ではなく、 ビーンズ(=豆)です。
落花生は、花の付け根から 「子房柄(しぼうへい)」と呼ばれる 糸のような根のようなものが伸び、土の中に潜ります。
その先が膨らんで 土の中で落花生ができるのです。
その様子が、花が落ちて実るようなので 「落花生」の名がついたと言われています。
下の写真は落花生の花、 黄色くて可愛らしいですね。
生の落花生は希少
落花生の旬って? もちろん落花生にも旬があります。 採れるのは、9月から10月にかけての短い時期。
現在日本国内に出回る落花生(ピーナッツ)は9割が外国産で、 乾燥・焙煎されたものです。
1割の国産落花生でも、 そのほとんどは乾燥されて(ひねと言う)出荷されます。
そんな中、生のままの落花生に出会えるのは、 短い旬の時期だけ。
季節を感じられる、とても希少なものなのです。
生落花生の茹で方
生落花生は、 炒るのではなく「茹で」て食べます。
<落花生のゆで方>
よく洗った落花生を、殻ごと鍋へ ↓ 水から塩ゆで(3パーセント程度) ↓ 沸騰したら30〜40分(好みの硬さに)
※おおまさりは40〜50分 ↓ 10分ほどお湯につけたままにする ※お湯につけておいた分だけ塩味が入ります
茹で落花生は、 乾燥落花生とは一味違います。 生の落花生を見かけたら、 ぜひ試してみてください。
落花生の保存方法
●生落花生
生のままのものは、ポリ袋などに入れ、 冷蔵庫の野菜室で保存します。 生のままだと保存期間は1週間ほど。 生の落花生を手にしたらすぐに茹でて、 冷凍保存しましょう。
●乾燥落花生
乾燥されている落花生は、 乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて 冷蔵庫で保存します。 1年以上保存可能です。
落花生の殻のむきかた
殻ごとの落花生の、むきかたのコツです。 落花生は基本2豆が入っている形ですね。
この真ん中のくびれのところをただ折るのではなく、 ひねるように割ります。
そうすると中の豆が取り出しやすく、 上手に剝くことができます。
お酒のおつまみにぴったり!
ピーナッツにはナイアシンが豊富に含まれ、 アルコールのお供にぴったりなのです。 また老化防止と美容効果が期待できます。 ビタミンE 若返りのビタミンと呼ばれ、抗酸化作用があり、 血行を良くしたり、性ホルモン生成にも関与 ナイアシン 炭水化物・脂質・たんぱく質などの代謝促進 アルコール代謝の過程で生じるアセトアルデヒドを分解するのを助ける オレイン酸・リノール酸 血中コレステロールを減らす働き レシチン 脳の動きを活性化させる働き
落花生は千葉県が日本一
落花生と言ったら、千葉県。 ずっと出荷量全国1位(全国生産の7割以上)を独走しています。 千葉県の北総台地は火山灰土で、 落花生の栽培に適した土地であるということが 生産が盛んな理由でもあります。 また千葉県八街市(やちまた)には、 日本で唯一の落花生研究機関があります。
品種
千葉半立(ちばはんだち)
【 特徴 】
乾燥させて煎って食べる煎豆向き。 落花生の中では古く王道の品種で、コクがあり、風味も良い。
ナカテユタカ
【 特徴 】
千葉半立よりも早い時期に収穫できる早生品種で、煎豆向きの品種。 さっぱりとした甘みがあり、中の薄皮の裏が白い。
おおまさり
【 特徴 】
他の品種と比べて2倍ほどの大きさがあるジャンボ落花生。 生のものをゆでて食べるのが美味しい品種で、 やわらかく甘みと食べごたえがある。
郷の香(さとのか)
【 特徴 】
茹でて食べることを目的とした初めての品種。 従来の煎り落花生品種より殻が薄い。
野菜ソムリエの産地レポート 〜落花生編〜
落花生と言えば、千葉県! その中でも八街は有名ですね。
八街市の近くの山武市にある、 齊藤農園を訪れました。
「365農園ツアー㏌齊藤農園」 こちらが、齊藤完一さん。
30年近く農薬や化学肥料を使わず、 土にこだわって野菜を作り続けています。
参加者のみなさんと一緒に、 堆肥場も見せていただきました。
齊藤さんの堆肥は植物由来のものでできていて、 サラサラしています。
この日のツアーは、落花生の収穫体験!
10月も終わりで、 私たちのために落花生を取っておいてくれたので、 ちょっと収穫時期としては遅い感じ。
本当はもう少し葉が青々としている時期に 収穫するようです。
(※上の写真は9月。ファムファームにて)
ツアーの参加者の中にも、 やっぱり落花生が土の中になっているって 知らない方も居て。
実際に畑を見て、 体験してもらうって大事ですね♪ さて収穫です。 落花生は、株ごと抜きます。
土の中に少し落花生が残ってしまう時は、 手で掘り出します。
この日は 「千葉半立」と「おおまさり」を収穫しました。
畑で落花生の莢(殻)だけ、 ひとつひとつもぎ取ります。
これも大変な作業ですよね。
とれたてを茹でて、 懇親会でいただきました。 やわらかくて美味しい!
落花生は、乾燥させて出荷することが多いです。 齊藤さんの後ろに見えるのが、 収穫した落花生の畑。
根っこを上にして畑で乾燥させます。 これを「地ぼし」といいます。
写真の奥に、 ブルーシートがのせられているものがあるのが、 分かるでしょうか?
こうやって乾燥させ、 乾燥落花生として出荷されるんですね。
ブルーシートを上にのせているのは、雨よけだそうです。
生の落花生は、この時期だけ。 ぜひ見つけたら、旬物を味わってみてくださいね!
産地取材 2016年10月28日 佐々木久美子
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フードメッセンジャー:藤田 久美子(ふじたくみこ)
野菜ソムリエ
食のオタクの力で食育機会を作り、世界を健康に!
大人&こどもへの食育、イベント企画や運営、講師など、人前でお話しすることが好き♪販売やPRプロモーションなど、お客様とのコミュニケーションも得意です!野菜でパーティー会場装飾「ベジデコ」も行います