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量より質の美味しい秘密
こんにちは!フードメッセンジャー 畑大っっ好き 野菜ソムリエの森加奈子です。
私が平日勤める コールドプレスジュースの店 EJ JUICE&SOUPの店舗に 摘果みかん が届きました!青みかん とも言います。
皮がまだ青くて硬く、果肉も黄色っぽい。 みかんの香りはしますが、レモンのように酸っぱいです!
ところで、みなさん 摘果 ってご存知ですか? 今回は摘果について学んでいきましょう。
摘果とは… まだ実が小さなうちに、傷があったり品質の良くないものを見極めて、摘み取ることです。こんな小さなうちに、見極めをして摘み取るんです。 小さいので手間もかかるし、大変な作業だと思います。 せっかく着いた実を小さなうちに取ってしまうなんてしまうなんて勿体ない…と思いますよね。
では、なぜ摘果するのでしょうか…
ひとつは、果実の数を減らすことで、栄養分を集中させ、大きくて味の良いものをつくるためです。
数が多いと、栄養分や水分も分散されて実が小ぶりになってしまったり、味が良くならなかったり… 数を絞ることで、大きくて味の良いものを効率よくつくるためだったのです。
ふたつめは、樹や根への負担を減らすためです。
実がたくさんついていると、その分 樹や根は全部の実に養分や水分を送る労力を要します。 また、実のひとつひとつはそんなに重さはなくてもひとつの樹に何百、何千と実をつけるわけですから相当な重さになります。 果実は特に、同じ樹で何年も実をつけ収穫するため、根や樹の負担を最小限に抑えることが大切になります。 主にこの2つの目的で、果実を間引く摘果を行います。
摘果 の他にも
蕾のうちに間引く 摘蕾 花のうちに間引く 摘花 も同じ目的で行う管理です。
これは果物に限ったことではなく、野菜でも行われる作業です。
こちらはきゅうりの摘花花の根元に小さなきゅうりの実が着いているのみえますか? 実が大きくなる前、花のうちに摘花します。
そしてこちらは、イチゴの摘蕾です。花が咲く前に摘み取ります。
ひとつの枝に10個くらい蕾が付きますが、2、3個残して摘み取ります。
先月お伺いした、南アルプス市の貴陽の生産者さんも 最終的に収穫する実の3〜4倍の実を摘果するとおっしゃってました。 そのためこのよう大きな実になるそうです。何度見ても立派な貴陽です。
量より質
言葉では簡単ですが、この 質 を守るための作業はとても大変です。 以前イチゴの摘蕾は手伝わせてもらったのですが、最終的に収穫する実よりも多い量の蕾を しかも小さなうちに積んでいくので、手間がかかります。 イチゴの実を収穫していた農場長よりも一列終わるのに何倍もの時間がかかりました。
私たちが当たり前に食べている美味しい野菜・果物の裏には摘果・摘花・摘蕾という作業、手間がかかっているのです。 知って食べてもらうことが大切だと思うので、農家さんから教えてもらったことや、畑でしか気づけないことをこれからも発信していきます。
野菜や果物の力を借りて今日も元気にお過ごしください! ◇◆森加奈子◆◇ アクティブ野菜ソムリエ・アンチエイジングアドバイザー・調理師 野菜ソムリエの定休日食堂 育hagukumi>>https://www.facebook.com/t.k.b.shokudou/ EJ JUICE&SOUP>>http://e–j.jp/ 日本野菜ソムリエ協会公式HP>>http://www.vege-fru.com/フードメッセンジャー:豊岡 加奈子(とよおか かなこ)
調理師
野菜と人をつなぎ、身体も心も整える野菜ソムリエ・重ね煮料理家です!
野菜を中心とした料理や、身体と心を整える「重ね煮」料理の料理教室を開催しています。野菜がたくさん摂れるメニュー、日々の調理が時短になる料理法、つくりおきをお伝えしています。 大学で農業を専攻していたこともあり、現在も生産地を訪れ農作業を体験し、野菜・果物が命であることを感じれるようにしています。産地レポートや野菜・果物の情報発信、店頭でのPRも得意です。 作り手の想い、野菜・果物の魅力を伝えることで、食べる人、作る人どちらも、心が豊かになるよう心がけています。